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思い
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「座席倒すよー」
「…別にいい」
「痛いでしょ?我慢しなくていいから」
そう言ってシートを倒すと身体を軽く押された
「急いで帰るからちょっとの間我慢しててね」
病院に来たときとは違う鈴の態度。
本当は怒っているのに、俺に呆れてるのに、それでもこうして優しくしてくれる鈴。
出発する直前、そっと優しくお腹を撫でられた
壊れかけの何かに触るみたいな、包むような優しい動き。
何故か痛みが和らいだ気がして、ここに来てやっと身体の力を抜くことができた
「…やっと止まった」
「え?」
「手。公園で会ったときからずっと震えてた」
「…ごめん」
「結今日はごめんってばかり言うね。どうしたの?」
「俺だって、ごめんくらい言う」
「そうじゃなくて。…まぁ、俺が悪いか」
「鈴は悪くない」
それだけは確実だ。
鈴は絶対悪くない。
そう言って身体を起こせば、優しく頭を撫でられて困ったみたいに笑った
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