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気持ち side結
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side結
「それで、話ってなーに?」
家に帰ってすぐ、鈴がそう口を開いた
その言葉に心臓が飛び出るのではないかという程ばくばくする
環と俺どっちが好きなの?
そんなことを聞こうとして、でも言えなくて、環に会いたい。という内容になって伝わってしまった
環には会いたかったから良かったけれど、肝心のことは結局聞けなくて、そしてどうしようもないこの気持ちに気づいてしまった
既に環と想には相談した
環は、とにかく想が好きで、そして想にされることなら何でも受け入れると、そう言っていた
想は環のこと絶対に離さないって。
想も環がいないとだめになっちゃうって言っていた
ふたりは、ずっと一緒にいるんだろうなって思った
環は想が大好きで、いっつも膝の上に乗って嬉しそうにお喋りして。
そしたらいつの間にか時間が流れてる
そうやって、ふたりはずっと一瞬に思える時間を過ごしていくんだろうなって。
ずっと。とか、離さない。とか嘘にしか思えなかった言葉もあの2人なら現実になるのかもしれないと思った
俺は鈴のことが好き。
けれど、環や想みたいに綺麗に相手のことを信じられない
何かをした拍子に飽きられるんじゃないかとかもういらない、と突然飽きられてしまうんじゃないか
そして生憎、それを受け入れられる丈夫な気持ちも持ち合わせていなかった
鈴の何気ない一言で嬉しくなって、そして夜になるとあれこれ考えて怖くなって、その度に鈴に慰めてもらって。
俺はかなり面倒くさい。それは自覚している
鈴はそんな俺も受け入れてくれるのだろうか
あと一歩が踏み出せない
「結ー?お話って何ー?」
「…ちょっと待って」
「うん、ゆっくりでいいよ」
その優しい瞳に胸が熱くなる
抱きつきたい。
ちゅっ。てしたい。
結って言って撫でてほしい。
その大きな腕で、抱きしめてほしい。
もし付き合ったら、そういうことも我慢しなくていいのかな。
だとしたら付き合いたい。
鈴の恋人になってみたい。
鈴が朝起きたら「おはよう」って言ってくれて、俺は朝から鈴にくっつく
コーヒーを淹れてあげて、それで鈴が笑顔になってくれたら嬉しい
…って俺何考えてんの。
こういうのが重いって思われちゃうのかな
「ん?どうしたの?」
段々と頭の中の整理ができなくなってきて鈴を見上げれば「大丈夫。ゆっくりでいいよ」と手を握ってくれた
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