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気持ち
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「水筒持った?」
「うん」
「服装は寒くない?大丈夫?」
「大丈夫」
「よし!完璧だ!」
「…早く行こ」
「ふふ、楽しみ?」
楽しみに決まってる。
遊園地には行ったことがないから想像ができないけれど、鈴が一緒にいてくれるならきっと楽しい
この気持ちは動物園に行ったときと同じだ。楽しみでもあるけれど少し不安で、でもやっぱり楽しみ。
何を持っていったらいいかと聞けば、水筒を用意したほうがいいと言われたから麦茶に氷を入れてちゃんと用意した
鈴のも作ったら「ありがとう」って頭をなでてくれた
夕方になって日が傾いてくると、そろそろ行こうかと鈴が車の鍵を持つ
外はもうぼんやりと薄暗くて、丁度いい明るさだった
運転中、赤信号で止まる度に「飲む?」と麦茶の入った水筒を開けて渡す
流石にしつこいかとも思ったけれど、鈴は笑顔で受け取ってくれた
「よし!ついた!」
「…あそこ?」
駐車場から少しだけ離れたところに大きな乗り物が見える
「そうそう!あれはジェットコースター」
説明してもらっている間にも「きゃーっ」という声と共にすごいスピードで動く乗り物がある
叫ぶほど怖いのにどうして乗るんだろう。
「車酔いしてない?」
「うん」
「よかった。じゃあ行こっか!」
車から降りると「飲み物ありがとう」と、水筒を預かられる。そしてそのまま鈴の持つバックの中に入れてくれた
「手、繋ご?」
「…うん」
恥ずかしくもあったけれど、それよりも目の前に差し出された手を握らずにはいられなかった
「わ、手冷たくなっちゃってる」
鈴の手は温かかった。
「水筒ずっと持たせちゃってごめんね」
「…持ちたかっただけだから、いい」
「麦茶も作ってくれたもんね。冷たくて美味しかったよ」
「氷2個入れたから」
あぁ、これではいつもと変わらない。
もっと素直にならないと。
遊園地ではもっと素直に、あとは鈴の乗りたい乗り物にも一緒に乗らないと。
とにかく、俺だけじゃなくて鈴にも楽しんでもらいたい
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