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気持ち
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鈴はどうやら俺に嘘をついたらしい。
だって全く楽しくない。
体が硬直して一歩も歩けない
後ろから「大丈夫だってー」と言う言葉とともに押される
「…っ、ちょ、やめて」
「でも次の人入ってきちゃうからそろそろ進まないと」
「や、やめて…っ」
手を引かれて思わずしゃがみ込む。
もう怖くて怖くて手先は驚くほど冷たくなっていた
「じゃあ分かった。リタイアしよう!それにしてももう少し進まないと無いけど」
「…鈴」
「ん?」
「も、…怖い…動けない…っ」
しゃがんでも音楽とか配置してある物が見えて思わず耳を塞いで目を瞑る
「大丈夫だよ。怖いね、ごめんね」
大丈夫。そう言ってあやす様に背中を撫でられた
その後しゃがんでいるのも辛くてそこに座りこんだら「だっこするから、怖かったら目瞑っててね」と優しい声で言われた
ふわっと体が浮いて、体が鈴にくっつく
背中を撫でてくれている手は未だに「大丈夫」と言ってくれているようだった
振動が伝わってきて、歩き始めたんだと理解する
「…っ、やっ」
早い。歩くスピードが早い。
自分で歩いているわけではないし目も瞑っているのに怖くてたまらなかった
「大丈ー夫大丈夫。すぐに出られるからね」
『わっ!!』
「…っ!!や、やだ…無理っ」
腕の中で暴れる。
もうやだ、怖い、早く出たい。
「落ち着いて、大丈夫だって。今出るからね」
少し笑われてしまって恥ずかしかったけれど、今はそんなことを言っている場合ではない
一刻も早く出ないと、本当に心臓が止まってしまいそうだ
「…降りるっ、やだ…!」
早くお化け屋敷を出たくて、腕の中で暴れる
「危ないから。降りたいの?」
さっきまでいくら暴れてもしっかりと押さえてくれていた手。
「降りたい」と伝えれば降ろしてくれた
「手は繋ごう?」
ぎゅっ。と握る
『わーっ!!』
「───っ!!!」
驚きすぎて喉から声が出ない
膝がかくん。と折れてそのまま座り込んだ
床についた手を見て気づく
両手がもう可笑しいくらいに震えていた
「抱っこするよ?」
またもや抱き上げられる
今度は暴れる気力もなくて、ただ早くここから出てほしくて、鈴の首筋に痛いほど顔を押し付けた
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