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気持ち
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冷えた麦茶を定期的に与えられながら順番を待つ
すると後ろにいた女の人に声をかけられた
「この子が真っ白で可愛いから一緒に写真撮りたいって聞かなくて。
よろしければ写真一緒に撮ってもらうことってできますか?」
「…写真」
「お兄ちゃん、…お願い」
声が聞こえて少し視線を下げればワンピースを着た小さな女の子。
「結は優しいからきっと撮ってくれるよー」
鈴が女の子に優しくそう言う。
今は鈴が隣にいるからか、気持ちが落ち着いていた。
「…俺でいいの?」
しゃがんで女の子に話し掛ければ嬉しそうに「うんっ!」って言ってくれた
慣れない写真ではあったけれど何とか女の子に納得してもらえた
「ありがとう!ねー!触っていい?」
返事もできないくらいの速さで髪に触れられる
「私も髪の毛白くなりたい!」
ぎゅうぎゅうと引っ張られる
悪意があってやっている訳ではないんだろうけれど髪を引っ張られるのは痛い
「さらさらだね!」
「…そうかな」
気に入ったのか、ぎゅうっ。と髪を引っ張られて思わずその子の手に触れる
「…離してもらってもいい?ごめんね」
「やだ!」
どうしよう。俺はこのまま観覧車に乗らないといけないのかな
「ごめんねー。痛がってるから離してあげて」
そっと鈴の手が頭に触れて女の子の手が離れた
「あ、すみません!」
女の子のお母さんに謝られて頭を横にふる
「…大丈夫」
それから鈴は何故か女の子と遊んでいる
その子のお母さんもそれを微笑ましそうに見守っていた
「…鈴」
「どうしたの?」
「…麦茶」
「あ!ごめんね!」
蓋まで開けて渡してくれる
こんなこと言えないけれど、俺も鈴とお話したい。
「大丈夫ー?」
「うん」
麦茶をひとくち飲んで水筒を返す
「順番もそろそろか!」
女の子に「ばいばい」と笑った鈴が向き直って手を繋いでくれた
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