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気持ち
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「ここ?」
「そう!凄くない!?」
「和室あまり来たことないかも」
鈴が来たかった場所というのはここらしい。
大きな和室。本当に広い。
カルタをしている人や展示されている習字を見ている人。
横になっている人もいた。
それぞれが自由に楽しそうな時間を過ごしている。
畳の良い匂いがして、何だか日本っぽいなって単純な感想を持った
「ここ来てみたかったんだー。すごい、…すごい広い!」
たしかに広い。
「何する?何でもできるよ!」
「…習字みる」
別に何でも良かったけれど、強いて言うならあの大きな紙に書いてある習字が見たい
「…なんて読むの?」
「楓!」
「…かえで?」
「そうそう!今丁度赤くなってきてるよね」
赤くなっているということはあの木か。
地面に落ちている楓の葉を拾ったことがあるけれど不思議な形をしていて面白かった
「家の近くにある木?」
「うん!」
やっぱりそうだ。
クイズに正解したような感覚になる
「こっちは?」
「これは滝!」
「…たき」
見に行ったことはないけれど知っている。
高いところから大量の水が落ちてくるところ。
あそこの下に入って修行する人もいるらしいけれど、きっと俺なんかがやったら滝に押しつぶされてそのままいなくなってしまう気がする
「習字かっこいいなぁ。俺も書いてみようかな」
「…難しそう」
「でもやってみたい!今度一緒にやろうよ!
俺はねー、『結』って書こうかな」
「…俺の名前書いたって楽しくないでしょ。鈴は漢字じゃなくてひらがながいいんじゃない?」
「え?俺バカにされてる?
じゃあ結じゃなくてゆいって書く」
「そうじゃない」
鈴が笑うのにつられて俺まで笑ってしまう
鈴が結って書くなら俺も鈴って書きたい。
こんなこと言えないけれど今度鈴が仕事に行っているときに内緒で書いてみようかなと内心恥ずかしいことを思った
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