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決めたこと
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「…ありがとう、ございました」
どんな形であれ、お世話になったのは確かだ。
深々と頭を下げ、ゆっくりと頭を上げた
もう後戻りはしない。
「大丈夫。
これからは全部、俺に頼ってね」
そんな俺の気持ちを知ってか、安心させるようにそう言ってくれた
「…鈴」
声は思ったよりも小さく出た
「なに?」
「───好き。好きなの」
ぎゅ。と拳を握りしめながら必死に声を出す
「…ありがとう、俺も大好きだよ。
ずっと、大切にする」
大好きだとか、大切にするだとか、上辺だけの言葉だと思っていたのに今はそうは思えなかった
本当に好きでいてくれて、大切にしようとしてくれているんじゃないか。
そう思ってしまう。
ずっと。
この言葉も好きではなかった。
でも、鈴に言われるとどうしようもなく嬉しくなってしまう
何だかもう、信じてしまいそうだ。
「可愛い」
「…そういう事言うな、っ」
「だって可愛い」
優しく包み込まれて、鈴の香りが鼻を擽った
安心する。
「…りん」
「なーに?」
「…すき、っ」
何故か視界が潤んで、それを指で拭われた
「俺も好きだよ。大好き。」
あぁ、もう。
自分でもどういう気持ちか理解できない。
でも、鈴の言動にいちいちドキドキして、そして何故か一度溢れた涙も中々止まってくれなかった
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