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鈴のために
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「これなにー?」
そう言いながらプリントを開く
「授業参観だ!来たいの?」
「…うん」
「でも俺そばにいてあげられないし、開始もお昼からだよ?」
「…歩いていく」
「だめだめ!危ないって」
「でも…」
返す言葉がなくて俯くが、やっぱり行きたくてまた目を見る
「……んー、そうだなぁ」
顎に手を当ててプリントに目を落とした鈴を見て、もしかしたら来てもいいと言ってくれるのかと期待する
「…んー!!」
すごく考えてくれているのが全面的に伝わってきて少し申し訳なくなる
それでも、「やっぱり行かない」とは言いたくなかった
「───じゃあ、結がふたりにお願いしてみて?」
お願い…?
ふたりに…?
「想と環。
でもふたりが都合あわなかったり難しいってなったら、今回は我慢してね」
つまり想と環が一緒に来てくれるというのなら授業参観に行ってもいいらしい。
でも環はあまり人が得意ではなさそうだし、無理をさせてしまうのも申し訳ない
「はいっ!電話!」
「えっ…ぁ、」
『あ!結だ!』
電話越しに環の嬉しそうな声が響いた
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