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授業参観
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教室につくと、入り口のところで鈴が来る人たちに「こんにちはー」といつものふわふわしたテンションで挨拶をしていた
いつの間に力が入っていたのか、鈴を見るのと同時に肩の力が抜けたのが分かった
「あっ、結!」
こっちに気づいた鈴が嬉しそうに手を振ってくれる
近づくと、いつも話すときみたいに視線を合わせてくれた
「帽子似合ってる」
「…っ」
恥ずかしくてぎゅっと深くかぶり直した
「ふふ、可愛い。
始まるまでもう少し時間あるから後ろの椅子のところに座っててね」
「うん」
鈴の横を通り過ぎて教室の後ろの扉から入る。
入ると同時に何人かと一斉に目があって、反射的に一歩下がる
「っ、あ…ごめん」
後ろにいた想の足を踏んでしまった
「気にしなくていいよ。大丈夫?」
環はもう想にぴったりくっついていて、ちらちらと教室を見ている
「…うん」
教室の一番後ろに用意された椅子に帽子を深く被って座るがどうしても聞こえてしまう。
やっぱり髪色がみんなと違う俺や環は目立ってしまうのだろうか
アルビノ?とか、誰の兄弟?とか。
帽子を深く深く被って授業が始まるまで俯いていた。
たまに想が声をかけてくれるけれど、迷惑はかけたくなくて首を横に振って大丈夫と言う
小さく震えている手を握りしめて震えを抑えていた
「そろそろ始まるよー」
そこに鈴のリラックスした声が聞こえた。
顔を上げれば教卓でにこにこしている鈴と目があった
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