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授業参観
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「じゃ、号令お願いします」
鈴の指示で皆が一斉に立って「お願いします」と挨拶をした
こんなにたくさんの人が誰かの掛け声1つで同じ行動をとるなんて凄すぎる
目をぱちぱちさせながら見ていたら環が小声で「家に帰ったら俺も今のやりたい!」って言ってきた
やったとしても2人だし、今みたいな迫力はないだろうけど、うん。と頷いておいた
「今日は簡単な実験をします
使うのは各テーブルに置いてある実験器具ね」
鈴が説明を始める。
よく分からない言葉ばかり使うから理解が追いつかないけれど一応聞いているふりはしておいた
「今日の実験は皆でやりたいと思っているので子どもたちの横に移動してもらえると嬉しいです」
にこっと笑った鈴はかっこよかった。
見に来ていた人たちが移動してしく。
鈴は教卓から降りて話しかけられた生徒と話をしていた。
「先生何か緊張してるー?」
「少しだけね」
「先生も緊張する事あるんだね」
「だっていいとこ見せたいじゃん!」
楽しそうに話している鈴を見ているとどこか距離を感じてしまう
やっぱり俺と鈴では違うんだなって思い知らされる
「結」
「っ、…なに」
「大丈夫?」
想が落ち着かせるように背中を撫でてきた。
「さっきも手震えてたでしょ。大丈夫?
一回廊下でようか?」
あんまり顔色よくない。と指摘されてしまう
「…大丈夫」
「結、大丈夫?ぎゅーしてあげるよ」
環が想の隣から離れてそばまで来てくれる
「大丈夫だから。…ほんとに」
なんで俺はこんなに気を遣わせてしまっているのだろう。
「結、大丈夫。ちゃんと見てるから」
「……鈴」
いつの間にか椅子の前にしゃがんでいた。
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。だって俺の授業だし」
ね?と頭を撫でてくれた
そこがじんわりと温かくなって、うん。と頷く
「よし!実験始めようか」
そう言い残すとまた教卓に戻っていってしまった
短い時間だったけれど、鈴がそばにいてくれただけで不思議なくらいに気持ちが楽になった
深く被っていた帽子をとって指示されたテーブルの前に移動した
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