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食事が終わると、俺は父さんと話すために結を母さんに預けた
リビングには誰も残っていなくて二人きり。
「…学校は、どうなんだ?」
静かだった部屋に父さんの声が響く。
「楽しい
もちろん大変ではあるけどね、やりがいはある仕事だよ」
「小さい時から鈴には色々やらせてきた。
でも、何をやらせても楽しい、それしか言わないな」
責めるわけではなくて、それは優しい声だった
「本当は辛いこととか、楽しくないことだってあるだろ
…いつかパンクしないか、心配だよ」
そう言って困ったように苦笑する父さん。
俺は父さんを安心させるように笑顔で伝える
「大丈夫。
本当に楽しいんだって
小さい時、色々やらせてくれたよね。でもそれは全部俺がやりたいって言ったことだった
仕事だって、自分がしたいことを実現しただけなんだ
だからさ、楽しくない訳がない。そこで壁にぶつかっても乗り越えたいと思うし、頑張ろうって思える
俺、無理なんてしてない。大丈夫だよ」
ね?と微笑めば「全く、お前は…」と言いながらもほっとしたように頷いてくれた
それから結の事とか、逆に父さんの仕事のこととか話は尽きなくて色々話した
話が一段落すると家の大きな窓から見える庭に視線をうつした
もう日が傾いていて、オレンジ色の日差しがリビングの床に反射している
外から妹の笑い声が聞こえて、見れば庭の一角で育てている野菜を収穫していた
母さんと結も一緒にいる。
結はしゃがむのがつかれたのかもう地面に座ってしまっているが、その両手にはトマトが1つずつ握られていた
西日にきらきらと反射する結の髪に目を細めながらも、楽しそうな3人の様子に目が離せなかった
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