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今までのこと
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意識することもなく、緊張することもなく、こんなにも自然に笑顔になってしまうのは初めてかもしれない
「好きだよ」
耳元で囁かれて顔が熱かった
きつく抱きしめられたその距離に胸が痛いくらいドキドキした。
例えば、もし俺の色が白だったとしたら。
だとすれば、今までの色は全体的に薄く伸ばされた色素の薄いグレーのような人生だった
何か楽しいことがあるわけではなくて、だからといって嫌なこともない。
何もない。
けど、生きている。それだけの人生。
でも今は、濃い色が沢山になった。
グレーだった色は真っ黒になって、それ以外にも黄色とか赤とか、緑とか。色んな思い出があって、色んな感情が生まれた。
鈴のそばにいるときは、1番明るい白色。
こんな言い方、全てを任せてしまっているように聞こえてしまったら嫌だけど、そうじゃなくて、俺が白でいられたなら、鈴の好きな色に染めてほしい。
本当に何色でもいいんだよ。
黒でもいいし、白のままでもいい。
俺は、鈴のそばにいられることが凄く嬉しい
だからね、俺のこと、好きな色でいっぱいにして欲しいって思ってるんだ
好きだよ。
俺と出会ってくれて、声をかけてくれて、好きだと言ってくれて、そばにいてくれて
ありがとう
俺だって、鈴のこと一生離してあげないからね
心の中で話しかけながら、その温もりに頬をすり寄せた
FIN.
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