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苦しさ
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気持ちを入れ替えるように、部屋中の窓を開けた
でも入ってくる空気は、この部屋に入った瞬間この部屋の空気になってしまって息を楽にはさせてくれない
変わったのは部屋の温度だけ。
冷房の効いた涼しい部屋が、もやっ。と湿気った暑苦しい温度になった
部屋の空気を入れ替えても鈴の『優しい』が無くならないこの部屋は苦しくて、裸足のまま家から出た
外は眩しくて暑い。
歩き回っても倒れるのが目に見えて、玄関に背中を預けて座った
どうしたらいいのかも分からないまま、必死に空気を吸い続ける
しばらくそうしていると段々と息が吸えてきた。
でも、ぽたぽたと汗がたれてそれがコンクリートの床に吸収されていく
その様子をぼーっと眺めながら、何故か鈴の事を思い出した
鈴の優しさが辛くて部屋から出てきたはずなのに、鈴に会いたいと思ってしまう自分もいて自嘲する
眩してくて、目を瞑る。
暑くて、体が汗でべたべたしてきて目の前もチカチカしてくる
しゃがんでいるのが辛くて、足を崩して座った。
…鈴はこれくらいの暑さ、何ともないのかな
どっどっ。と心臓の音が耳に聞こえてくる
しばらく心臓の音と、チカチカする視界でコンクリートを見続けた。
暑くて気持ちの整理もつかないまま、昔の記憶と、鈴のことを交互に思い出す
本当に俺は、最近鈴の事ばかり考えている。
でもそうすると、昔のことも思い出す。
昔のことは思い出さないよう、深呼吸をした
そろそろ部屋に戻ろうかと立ち上がった時、酷い立ちくらみとともに結の意識は途切れた
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