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鈴がくれるもの side結
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side結
夜中にキッチンの方からカタン。という何かの物音が聞こえて、「あの人が隠れているかもしれない」咄嗟にそう思った
そう思ったら震えだす体にどうすることもできなくて、まずはキッチンに向かった
いるかいないかで怯え続けるのは何だか悔しいので、どっちでもいいから確認したいと思った
結果は、いなかった。
ほっ。と体から力が抜けるのがわかる。けれどその瞬間、シャワーの水滴が1滴床に落ちたのがわかった
その音に、背筋が凍って頭までさぁっと冷たくなった
気づいたら鈴の眠っている部屋まで走っていた
「…おきて」
起きてくれなくてもいい。けど不安で、鈴なら何とかしてくれるなんてらしくないことを思った
人に頼ったら解決する。怖くなくなる。
今までそんな事なかったし、むしろ逆だったのに何故か俺は鈴を起こしていた
「どうしたー?」
あ、…起きてくれた。
そのまま頭を撫でられて、鈴はいつものようにへらりと優しく笑った
そのことだけで俺がどんなに安心したかなんて、誰にもわからない
その後俺は「暇?」とか「薬作れる?」とか訳のわからないことを連発し、鈴はその訳のわからない問いに優しく答えると、飲み物を作ってくれるらしく、キッチンに向かっていった
さっき確認したけど、もしかしたら俺の確認が甘かっただけで本当は、あの俺を買った人がいるかもしれない
それは、やだ。
手で頭を覆っておかしくなりそうな頭を叩こうとしたとき、
「大丈夫だからね。痛いことも怖いことも起きないよ」
そう言って膝の上に乗せられた
そのまま、きついくらいに抱きしめられる
不思議と、不安な気持ちがどんどん消えていく
ふふ。といつもの笑顔なのに、何故かこんなに心が落ち着く
鈴はやっぱり、今までの人とは違う。
少なくとも、俺の中では。
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