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鈴がくれるもの
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「これは何しに来たの?」
新しく描き足された黒猫。白猫との距離が近い。
「白猫ちゃんを見守ってるんだよ」
白猫が危なくないように?
それとも白猫の事が気になるのかな
後者の気持ちはなんとなく分かる。
俺もたまに、鈴がちゃんと寝てるかベッドを確認しに行くときがある
寝ているはずなのに、近くに行くと必ず起きて「どしたのー?」って眠そうに聞かれる
本当に何でもないから返答に困っていると、何が楽しいのか穏やかに笑ってそのまま眠ってしまう
この黒猫も、きっと白猫がちゃんと眠っているか確認しに来ただけだ
「仲いいの?」
「そうだね。すごく仲良し」
黒猫は、白猫に早く起きてほしいのかな
起きてくれたら、何か嬉しいことが起きるかもしれないから
そんな事を考えている内にも絵は完成したらしい。
太陽と白猫だけだったはずが、花が咲いていたり黒猫が近くにいたり、太陽の隣に描かれた雲も賑やかさの一因になっている
鈴から嬉しそうに渡されて、それを両手でそっと受け取る
近くで見るともっと賑やかに見えた
「…これ、俺の?」
本当に貰ってしまっていいのだろうか
「うん!あげるよー」
この絵は、好きなくらい見ていい。
俺が離さなければ、無くならない。
そう思ったら無性に嬉しくなった
初めてかもしれない。
ものを貰ってこんなに心がぽかぽかするのは
「…ありがと」
その大切な俺のものを離さないように、ぎゅっと握った
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