アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
思い side結
-
side結
シャワーから出ると鈴は仕事をしているのかデスクに向かってパソコンを打っていた
その様子を後ろから見る
…わがまま。
俺が今からしようとしていることはわがままなのかな
もう、よくわからない。
そもそも「人を好きになる」なんて柄にもない事をする俺がどうにかしてたんだ
俺は、分かってる。
好きも、愛してるも、離さないも、一時の気分から出る言葉なんだって。
一生好きでい続けることなんて無理だって、俺が1番分かっていたはずなのに
鈴に向けていた気持ちの扉がぱたぱたと閉まっていくような気がした
俯いて、深く息を吐く。
「結」
俺は何で鈴に名前を教えたんだろう
「…なに」
「俺寝るね。もう遅いから結も寝る?」
時計を見れば11:30。
「…寝ない」
「大丈夫?無理はしないでね」
いつも寝ていないから特に不審感も抱かれずに済んだ
そろそろ行かないとな。
けど、その前に。
そう思いたってリビングの壁に飾ってある絵を額の中から取り出してポケットの中にしまった
これは俺にくれると言っていた。これは、俺が離さなければずっとそばにいてくれる。
どこか気持ちの温かくなるその絵をポケットにしまい、描いてくれた時のことを思い出した。
やっぱり描いてくれない。そう言って背を向ければ「今描く!」って急いで用意してくれた
「…必死すぎ」
ふふ。と小さな笑いが漏れて、ポケットの中の絵を撫でるように上から触れた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
219 / 427