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「はっ、半分…⁉︎」
もし、逢坂の言うことを信じるなら。
自分の生気の半分はもう既に失われていて、霊気へと移り変わってしまっているということ。
それってかなり、悪い状況のような気がする。
「…っど、どうしたら…」
「うーん、まずは早く原因を突き止めて、侵食を止めることだね。そうして、これ以上生気が失われないようにするのが、最優先事項かな」
原因なら、もう分かっている。
ーーアレだ。
逢坂の言うことが正しいのなら、霊と交わらなければ、これ以上生気が失われることはない筈だ。
……そこでふと、一つの疑問を覚えた。
「侵食を食い止めるのもいいけど……失われた生気を取り戻した方が、楽じゃないのか?原因から探すって…すごい時間かかるだろ」
自分からしたら、そっちの方が楽な気がしたのだが。
逢坂は、僅か顔を曇らせて、それから小さく首を横に振った。
「…出来ることは出来るけど、あまり現実的じゃないね。ほぼ不可能だと思った方がいいよ」
「そんな……」
それじゃあ、アレを止めるしか、方法はないってことか。
でも17年間生きてきて、一度も抗うことの出来なかったものに……果たして、勝つことが出来るのだろうか。
身体が震える。
きゅっと強く唇を噛み締め、襲ってくる不安に耐える。
「…大丈夫だよ」
そんな不安を打ち消すように、逢坂の手が、そっと自分の手に添えられた。
「昨日も言ったけど。…あいつが現れるまでは、君を守るから。絶対、死なせたりしない」
綺麗な瞳で見つめられて、どきんと胸が高鳴る。
「…うん。…頼りに、してる」
そう言って、その瞳を見つめあげれば、逢坂は目を細めて柔らかく微笑んだ。
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