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◇◇
「おかえりー涼太。…あら、どうしたの?そんな不機嫌そうな顔して」
自宅に着き、リビングに足を踏み入れたところで、キッチンにいるらしい母が、声をかけてくる。
そういうつもりはなかったが、自然と不機嫌さが顔に滲み出てしまっていたのだろう。
「…別に。なんでもない」
「なんでもないってことないでしょ?…あ、もしかして誰かと喧嘩したとか?」
「…っ!」
「あら、図星?」
「…っ違うから…!」
なんでこういうときの母は、妙に鋭いのだろう。
一発で当てられたことに動揺しつつ、これ以上詮索されるのが嫌で、逃げるようにリビングを出る。
後ろから、母の「ほんと、分かりやすい子ね」と笑い声が聞こえてきたけれど、無視して自室へと駆け込んだ。
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