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「え……」
まさか、途中で止められるとは思っていなくて、腑抜けた声が出てしまう。
達しそうになっていた身体から、さっと熱が引いていくのが分かった。
寸止め、された……?
「っな、……」
なんで、そんな素朴な疑問が、口をついて出る。
少しして、上から男の笑いを含んだ声が、降ってきた。
『あー、いつも同じじゃ、つまんねぇだろうと思ってさ。……だから、今日は』
男は愉しげな笑い声を零すと、俺の耳元で低く囁いた。
『…あんたが俺に強請ってみせたら、イかせてやるよ。イかせて下さい、お願いしますってな』
「……は、…そんなこと、するわけねぇだろ……っ」
絶対、こんな男に屈したくない。
その思いから、唇をきゅっと噛んで、首を横に振って、男に向けて拒絶の言葉を吐き出す。
上で、ふっと笑う男の声が聞こえた。
『…強情だな。じゃ、耐えてみろよ』
「……っんん…!」
男が人差し指で、裏筋をつうっと撫でてくる。
皮膚が薄いその部分は、優しく撫でられただけでも、思わず腰が揺れてしまう程の快楽を生む。
それに加えて、一度寸止めされた身体は敏感になっていて、撫でられるだけで、すぐに達してしまいそうになる。
「…ぁ、あ……っ」
裏筋から、カリ、そして鈴口へ。
男はゆっくりと、けれど確実に、自分の弱いところを責めてくる。
もう何年も体を重ねているから、こちらの弱点なんて、きっと全部分かっているのだろう。
先端をくりくりと弄られ、イきそうになった所でーー男はまた手を止める。
さっと引いていく絶頂の波と、じくじくと疼く身体とに、思わず唇から吐息が溢れて、瞳に生理的な涙が滲んだ。
ーー辛い。
子供の頃から、抱かれる側の快楽を与えられて、それに浸ってきた自分には、この寸止めはかなりきつい。
心では駄目だと分かっているのに、欲しい、欲しいと疼く身体に、勝手に口が開きそうになる。
『……ほら、言えよ。欲しいだろ?』
男の甘美な囁きが、じわじわと脳を侵食してゆく。
必死で首を振るのだが、気持ちとは裏腹に、勝手に腰がゆらゆらと揺れてしまう。
ーーああもう、いっそのこと、言ってしまおうか。
イかせて下さい、と。
もうどうでもいい。
一時でも、この快楽に溺れていられるのなら。
そんな風な投げやりな感情になりかけてーー慌ててはっと我に帰る。
自分は、何を考えているんだろう。
こんな愉悦のために、自分の命を捨ててもいいだなんて。
男はそんな俺に、さらなる追い討ちをかけるようにして、耳元で低く囁いてくる。
『……言えば、すぐにでもイかせてやる。あんたがぐちゃぐちゃになって、もう無理って言うまで、何回でも』
男の手が、ぎゅっと竿を握る。
「…っう、…」
『……ほら、言えよ。イかせて欲しいって』
男の声に、思わず頷いてしまいそうになる。
ーーもう、駄目だ。
我慢なんて、出来ない。
完全に快楽に支配されてしまった身体は、抗おうとする心を、溶かしていく。
「……ごめん、逢坂」
逢坂との約束、守れそうにない。
ぎゅっと目をつぶって、頭に浮かんだ逢坂の像を、消す。
そして、男に提示された言葉を言おうとした時。
“…その子から、離れなさい”
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