アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
51
-
ふと、後ろから聞こえてくる声。
…すごく、嫌な予感がする。
「……あ、逢坂」
ーーやっぱり。
最悪のタイミングだ。
今日は、なんてついていないのだろう。
「丁度いいところに。ちょっとこっち来いよ」
高坂は逢坂に向かって、ちょいちょいと手招きをして近くへ呼び寄せると、俺に目配せをしてきた。
「…君は確か……高坂君、だっけ?」
「そうそう、高坂」
「…俺に、何か用事があるの?」
「まあ。……ほら、涼太」
逢坂が、高坂に向けていた視線を、ゆっくりとこちらへ向けてくる。
最後の抵抗とばかりに、そっと高坂に耳打ちで、やっぱやめないかと伝えてみるものの。
「はぁ?今更何言ってるんだよ。もう場所とか決めたしさ、ほら早く」
「う………」
あっさり拒否されてしまった。
どうやら、もう逃げ道はないみたいだ。
覚悟を、決めなければならないらしい。
「…あ、の……逢坂」
「なに…?」
幻滅されたら、どうしよう。
自分で言った言葉も守れないのかと、呆れられたら。
そう思うと、中々言葉が出てこない。
「えっ、と……」
「……うん?」
そんなに、純粋な目で見つめないでほしい。
けどこうなったのも、自分の責任だ。
趣味がオカルトとか、適当なこと言ったから。
ーーああもう、どうにでもなれ…。
「…し、心霊スポット……行かない?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
47 / 128