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ーー自分は一体、どうしてしまったのだろう。
仮にも男に、こんな……変な感情を、抱いてしまっているなんて。
おかしい、とか。
気持ち悪い、とか。
そんな風に思っているのに。
「……林野君」
その柔らかな声に名前を呼ばれれば。
純真な瞳で、見つめられれば。
全身が煮え滾るような感覚を覚えて、逢坂から目が離せなくなる。
「……ね、一旦場所を変えよう?ここじゃ、人目につきすぎるし」
逢坂が、そっと体を引き上げて、立たせてくれる。
顔を上げれば、逢坂の綺麗な灰色の瞳と、ぱちりと目が合う。
ーーこの人は、逢坂は。
所詮、俺のことは『利用価値』がある奴としか見ていないのに。
それなのに、自分だけ……こんなにもドキドキして、悩んで………馬鹿みたいだ。
虚しさと、切なさと。
いろんな感情が入り混じって、胸を衝きあげる。
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