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パーティー
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姉に取り残されたノアは、会場の空気に呑まれカチンコチンに緊張していた。
パーティーなんて勿論初めてだし、これから先来る予定もなかったノアはパーティーでの礼儀、ダンスのやり方すらわからない。
こんな状態で置いていかれてはノアは何をすることもできず、ただひっそりと壁際へ佇む。
なんか、見られている気がする…
自意識過剰なのかもしれないが、ノアは先程からチラチラと前を通る人達に見られている気がしていた。
それは見慣れない少年のあまりの美しさに目を奪われていただけなのだが、ノアはそれに気づかない。
「やっぱり僕、場違いなのかな。」
自覚はある。
田舎者だし、姉みたいな教養もない、こんな自分じゃ、お城のパーティーだなんて来ちゃいけなかったんだ。
ノアは自分の愚かさを攻め、責めてパーティーに来ている人達を不快にさせないように、と俯いた。
「ねぇねぇ、キミひとりなの?」
そんな時、
ノアは一人の男性に声を掛けられた。
顔を上げると、ノアより少し歳上の優しそうな人がにこやかな笑みを浮かべている。
僕とは違いタキシードが様になっており、なんだか場馴れしているように思う。
きっとこういうパーティーに何度も来ているのだろう。
「ねぇ、俺の話聞いてる?」
「えっ、あ、はいっ!」
彼はぼーっとしてしまったノアを不快に思ったのか眉を顰める。
怒らせてしまったかもしれない。
自分の失態にノアは顔を青くするが、どうやら心配する必要はないらしい。
「まぁいいよ。それよりさ、俺君と二人っきりで話したいな。少し外に出ない?」
彼はまた最初のような優しい笑みを浮かべて言った。
断ったら、失礼になっちゃうのかなぁ…。
また失敗をしそうで二人きりになる事にあまり乗り気ではなかったノア。
しかし断る事など出来るはずもなく、ノアは男性に連れられ会場の外に出たのだった。
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