アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
気になる人③
-
「実はこの前のパーティーでね…」
姉はパーティーでノアと別れた後、第二王子のマークを探して会場を歩き回っていた。
実際に顔は見たことがないが、噂で聞いた話では第二王子はこの国では珍しい真っ黒い髪をしているらしいので、見かければ分かるはずだ。
そう思っていたのだが、第二王子はいくら探しても見つからなかった。
「一体何処にいるのかしら…」
こんなことならばノアにも一緒に探してもらうんだった、と後悔しながらキョロキョロと歩く姉。
ドンッ
「きゃっ…」
よそ見をしていた姉は、前から歩いてくる女性に気付かずぶつかってしまい尻餅をついた。
クスクスクス
笑い声が聞こえる。
みんなが自分を笑っている。
なんとも惨めな気分だった。
恥ずかしくてこの場からいなくなりたいのに、顔があげられない。
「キミ、大丈夫?立てる?」
そんな時、たった一人の男性が姉を救った。
手を差し伸べてくれたのだ。
「あ、ありがとう…。」
彼の手を掴んで立ち上がると、彼は自然に腰に手を回し、
「折角だ、僕と一緒に踊りませんか?」
本日初のダンスのお誘い。
勿論姉は引き受けた。
ダンスは得意な方では無かったが、彼のエスコートにより自分が上手くなった様な錯覚がした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
28 / 63