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凌の家
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凌の家にタクシーで向かう途中、なぜか俺も凌も何も話さなかった。
凌はさっきから少し気まずいような顔をして黙り込んでるし、俺も昨日のことをどう話そうか考えていた。
ガチャ
「どうぞ。」
「お邪魔しまーす。」
「適当なところ座って。着替えてくる。あと、酒持ってくる。」
「うん。」
凌の家は一人暮らしには少し広いけど、他の芸能人と比べると広すぎず落ち着く雰囲気がある。前から変わってないな…。部屋をぼんやり見回す。
壁は真っ白で白黒のインテリアで大人っぽくまとまっている。そして、、、黒のソファーの上に、、、白いもふもふの何かがいる。
「シローーー!久しぶり〜会いたかった〜」
「ニャ!?」
シロは急に飛びついてくる俺にびっくりして逃げ回る。そう、シロは凌の飼っている白猫である。
俺は何とかシロを落ち着かせ、ソファーの下に座り膝に乗せる。撫でてやるとコロコロと喉を鳴らし始めた。
「相変わらずかわいいな〜少し大きくなったか?」
「ふっ、お前も相変わらずメロメロだな。」
凌が部屋着に着替え、酒を片手に戻ってきた。
「俺も猫飼いたいな。」
「飼えばいいだろ?」
「でも、俺の部屋汚いし…」
「ははっそうだな。
……分かってるよ、お前はいつかお別れするのがつらいんだってな。」
凌が俺の頭を撫でる。俺が落ち込んだりすると時々こうやって慰めてくれる。ほんと優しいやつだ。
「うん…。」
「お前の両親が亡くなってもうそろそろ10年だったか。時々シロに会いに来ていいぞ。」
「ありがとう。」
しんみりとした雰囲気になってしまった。
「よし!酒飲もうぜー!」
「おう!」
…あーこれからあの話をしなきゃいけないのか。忘れててくれないかなー。
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