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Hello!
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「さぁさぁ、いらっしゃい!どれも採れたて新鮮だ!」
「うちのメニューはどれも天下一品!ちょいとそこの旦那!寄ってかなきゃ損だよ!」
商店が軒を連ねるこの通りは言わばこの街のメインストリート。
溢れんばかりの活気と人の多さに驚き、開いた口が塞がらない。
「すげぇな……。これ全部店屋か?」
通りの先に目を凝らしてはみたが、一番奥が見えてるのかすら分からない。
「世界って本当に広いんだなー…」
田舎者丸出しなそんな言葉が口をついて出るが、いつまでも呆然としてる訳にはいかない。
ここへ来る前に立ち寄った街で聞いた話が本当なら、この街には魔女がいる。
だがそれは飽くまで噂話だし、話してくれたのが酒瓶を片手に酔い潰れかけていたオジサンだ。
信憑性は…………。
(……いい方に考えよう。毎晩あの酒場にいるらしいから噂とかはすぐ耳に入るって……。つまり毎晩飲んだ暮れ…?)
オジサンには悪いが、何だか余計不安になってきた。
俺はそんな後ろ向きな考えを頭から追い出し、目的である装飾品の店を探し歩いた。
(メインストリートから二本裏手の通り…と)
聞いた話を頭の中で何度も繰り返し、それらしい店を見つけては片っ端から入って行った。
だがそう簡単に見つかるはずもなく、無情にも時間だけが過ぎ辺りが暗くなる。
「はぁ…、今日はもうこのくらいにして宿屋に戻るか…」
村を出てからまだ10日くらいしか経っていないというのに、俺はすでに旅の辛さを痛感していた。
何か困ったことがあっても相談する相手はなく、全て自分一人で判断し対処しなければならない。
それに金銭面。
今は貯めていたお金があるから心配はないが、それもいずれは底を突く。
行く先々で上手く仕事が見つかればいいけど、きっと世の中はそんなに甘くない。
「"男の魔女"……か」
【何日前だったか、隣町で空を飛んでる人間を見たって奴がいるらしくてな~。魔女だと思ってよく見たらそいつは男だったって言うじゃねぇか!】
オジサンから聞いたこの噂の男がブラッドだって確信はどこにもない。
でももし彼が生きていたら……。
そんな淡い期待がどうしても拭い去れない。
「せめてこのペンダントがどこで作られたのかが分かればなぁ…」
俺の父さんは装飾品を直す仕事をしている。だから幼い頃からそういう類の物を見慣れているが、このペンダントはどれとも似つかない変わったデザインだ。
こんなに特徴的な装飾品を手掛ける職人なんて世界中を探しても数が知れてる。
だから大きめの街の装飾品店に行けばすぐに分かると思っていたが、俺の予想は尽く外れた。
「……ん?あれは……」
宿屋への道のりを重い足取りで歩いていた時。
一言で言うと、"物凄く怪しい雰囲気を醸し出す店"が目に付いた。
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