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浮ついた気持ち (kyrt→usrt)
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us side
初めは見間違いかと思った。
いるわけない。と思いつつも、でも確かに似てる人が目の前を通り過ぎて行った。
少し興味本位でその人を追い掛ける。
ーーやっぱり、、レトルトだ。
思わず声を掛けてしまった。
しまった。あれだけ避けられてたのに。
アイツは、驚いた顔で俺を見ている。
なんでいるの!?ってそう顔に書いてある。
俺はつい、いつもの癖で連絡先を聞いてしまった。
うわー、絶対嫌がられるだけじゃん。
そう思っていたけど、答えは意外にもイエスだった。
まぁ、別れてから何年も立つし、そんな引きずる訳ないか…。
ー あの日以来、俺が、暇だな。と感じた時に連絡すると、アイツは丁度病んでる時期なのか、いつも愚痴を聞かされる。
別に話を聞くのは嫌いじゃないから、思う存分話を聞いてやる。
そこで知ったんだ。
アイツに彼氏が居ること。
その彼氏が割とクズだってことを。
早く別れたらいいじゃんって思うじゃん?
でも、アイツはかなりベタ惚れなの。
惚気混じりの愚痴。
大好きだから別れられない、の一点張り。
なんだか、無性に腹が立った。
何、幸せアピールして来てんの?
俺が居なくても新しい彼氏と楽しく過ごしてます。ってか?
幸せじゃないくせに強がってくんじゃねぇよ。
お前は弱いままで十分なのに。
その弱さに漬け込んで、もう1度俺の手元に堕ちてもらおうか。
昔は俺にベタ惚れだったじゃん?
お前が好きだったのは、この俺だろ?
俺がお前の 初めて をほとんど奪ったんだぜ?
忘れられるわけねぇよなぁ?
もう1度思い出せよ。
逃げ場をやるよ。俺の元に戻って来いよ。
『レトルト』
お前も気付いてんだろ?
俺を心のどこかで求めている事に。
じゃあ、素直になれよ。
大丈夫、お前のスカスカに空いた心の隙間を、俺で埋めて満たしてやるよ。
だから、
『おいで』
堕ちて来いよ。
レト『うん、行く』
ほら、堕ちた。
そこからはすぐだった。
レト「ねぇ、久々にぎゅーってしていい?」
「いいよ」
ぎゅーっと昔のように優しく抱き締める。
すると、スイッチが入ったかのように突然甘え出す。
頭を擦り寄せ、顔と顔がたまに触れ合う。
ははーん、キスしたいんだな。
そう察した俺は、口を近付け……ると見せかけて、おでこを合わせる。
「だーめ」と低い声で囁くと、アイツの肩が少しピクッと反応した。
鼻と鼻を擦り合わせ、キスをしたい気持ちで頭をいっぱいにしてやる。
レト「ね、うっしー…」
名前を呼ばれて顔を見ると、照れているのか顔が赤くなり、もどかしさで目をトロンとさせ、とても色っぽく無言で訴えて来る。
ーーー『キスして』
「ダメだって。口はダメ。」
でも、色っぽく訴えかけるのは気に入ったから、ご褒美に頬に軽くキスをしてあしらう。
ずるい、とでも言いたそうな不満げな顔をしていたが、気にせず話を弾ませた。
レト「……あ、そろそろ帰らないと」
レト「ねぇ、最後にもっかいぎゅーってしていい?」
「いいよ、おいで」
さぁ、お預けはおしまいだ。
離れた瞬間を見計らいキスをする。
レト「っ…!?」
驚いているけど、とても嬉しそうな顔で俺を見る。
…可愛い。
そしたらさ、レトルトからもキスをしてきたんだぜ。
これは完全にやっちゃいましたねぇ。
おやすみ、を交わしそれでお別れ。
ついに来たな。レトルト。
心配すんな、楽しませてやるよ。
その浮ついた気持ち、上手く隠せよ?
なぁ、レトルト。
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