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愛を伝えたいだとか (ky→rt)
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ky side
ーピピピピピ…カチッ
「ふぁあ…」
目覚ましの音で起き、クイッと背伸びをする。
健康的な朝だなぁ。
あー、こんな時は、アイツの眠たそうな声の「愛してる」が聞きてぇな。
窓を少し開け、風に揺れるカーテンを見つめながら、少し浮いた前髪を手ぐしで梳かす。
全てが心地よくて、全てがどうでもいい。
朝飯でも食べるか…。
俺はキッチンへと向かい、簡単に卵焼きでも作る。
まだ起きていない頭で、手だけを動かしてる感覚。
ージュウジュウ…
「…あっ」
ボーッとしてると、卵焼きが割れてしまった。
あー、もう、ついてねぇな。
ボロボロになった卵焼きの欠片を一口食べる。
「うっ…」
辛い…ってか、しょっぱい…?でもどこか甘ったるい…。
俺は満足に卵焼きも綺麗に作れねぇのか…。
まるでアイツへの気持ちのような卵焼き。なんてな。
あー、もう食欲もなくなった。
とりあえず今日は、何しても上手く行かなさそうだから、
バラの花に「アイツに会えますように」なんて願い込めて、
アイツにどうやって気持ちを伝えようか、アイツはどんな顔するのかなんて、馬鹿な夢でも見て、時間でも潰すか?
アイツに、愛を伝えたいだとか、臭いこと考えて待っていても、いつまで経ってもアイツは来ないから、段々ソファに沈んで行くだけの無意味な時間。
明日、俺がイイ男になんかなるわけでもねぇから、お前が振り向くまで焦らず待っててやるよ。
だから、今日は日が落ちる頃に会いに来いよ…。
なぁ、レトさん。
・・・ー
レトさんさぁ、、恋愛物のゲームをしながら、完璧な人には興味が無い。とか言って笑ってたけど、完璧がダメとか意味分かんねぇし。
んじゃ、俺はどうしたらいいの?
いつも話してるどうでもいい話の他に、腐るほど伝えたいことがあるのに、伝えれないから、、、寂しい。なんてな。
つーかさ、結局のところレトさんはさ、どうしたいの?
まじで俺に愛される気あんの?
…あ、窓際に置いてるお気に入りの花、雫が落ちてるじゃん。
…そんな俺の目の際からも、雫が落ちるー…。
あー、女々しいなぁ!!!
とりあえず今日は、部屋の明かり、早めに消してさ、アイツとどうにかこうにかなってるよーな、そんなどうでもいい夢を見よう。
明日は2人で過ごしたいとか、そんな妄想していても、ドアは開かねぇから、だんだんだんだん、俺は暗く暗くなっていく。
愛がなんだとか、んなこと言うわけじゃねぇけどさ、ただ、切ねぇ気持ちはキリがなくて。
もう、嫌なんだ…。
ロウソク炊いて、バカでかいケーキがあっても、アイツが食いつくわけないじゃん…。
情けねぇ…。
ずるい事ばかり考えちまう…。
でも、どれだけずるくても、レトさんを喜ばせたいんだ。
・・・ー
…え?今日は、バラの花なんてねぇよ。
やる気のねぇ汚れたシャツに、履き慣れたヨレヨレのGパンでさ。
でも、愛を伝えたいだとか、やっぱりどうしても臭いことばっか考えちまうから、また段々ソファに沈んで行く。
明日、イイ男になんかなれるわけねぇから、お前が振り向くまで焦らず待っててやるよ。
だから、散々振り回されてるけど、今日は日が落ちる頃に会いに来いよ。
期待したくないけど、それでもやっぱり俺は、レトさんのことを愛しているから期待しちまうんだ。
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