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ーー1ヶ月前ーー
「お母さんね、、、再婚したいと思ってるの。」
めずらしく家族3人そろって「いただきます」と、母さんの作った夕食を食べていたら、開口一番、母さんが爆弾を落とした。
「紫乃!スープ!!スープこぼれてるっ!」
衝撃に固まる僕をなだめ、碧兄は母さんに説明を求めた。
「実はね、3年前からお付き合いしている人がいるの」
そう言って母さんは話し出した。
母さんの交際相手、氷室晃は41歳、氷室コーポレーション専務取締役らしい。氷室コーポレーションといえば、僕でさえ知っている大企業だ。
彼は母さんの高校の同級生で、10年前父さんが逝ってしまってから、いろいろと相談に乗ってもらっているうちにそういう関係になったという。
「それでね、三ヵ月前に晃くん、、、彼からプロポーズされたの。迷ってたんだけど、そろそろ返事をしたいの。、、、、はいって、、、でも、あなたたちの気持ちもあるから、、、」
そう言って母さんは不安気に僕と碧兄を見つめてきた。
僕と碧兄は顔を見合わせてふふっと笑った。
「俺は母さんの選んだ人なら賛成だよ。母さんに幸せになって欲しいし。だよな?しの」
「うん。僕も賛成!母さんの選んだ人ならきっといい人だし」
僕の父、結城陣は、10年前交通事故であっけなく死んでしまった。碧兄は12歳、僕はまだ5歳だった。それから今まで、母さんは女手一つで僕達を育ててくれた。バイトを掛け持ちして、僕達のご飯を作って、掃除も洗濯もして、本当にいつ寝ているのか不思議だった。そんな母には感謝しかない。だから、僕も碧兄も心の底から祝福した。
母さんは安心したのか泣きそうで、それでいてすごく嬉しそうな顔で僕達を抱きしめてきた。
「碧斗、紫乃、、、ありがとう」
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