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3話
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最初に味噌汁を飲むと体が温まるのがわかる。
(...あったかい......。)
前までならこんな事あり得なかった。
最初の頃は温かいものを食べられる事が嬉しくて泣きっぱなしだったから、その度に夜宵が背中をさすってくれたのを覚えている。
懐かしいなぁなんて数ヶ月前のことを振り返っていると美雪さんが僕の目の前に座った。
「冬麻君ごめんねぇ、そんな手抜きのご飯で...。」
苦笑混じりに言われ、首を横に振る。
「全然!
......温かいご飯が食べられるだけでありがたいのに、さらに文句なんて言ったらバチが当たるよ。
それに、美雪さんのご飯美味しいし!」
笑顔で答えると「本当にいい子!健気!」と言われる。
そしてそれに続いて
「うちの子なんて感想すら言ってくれないしね。」
と夜宵を見た。
しかし夜宵は素知らぬ顔をして食べている。
「こうやって無視するし、同い年とは思えないわね。」
「照れてるんだよ。」
「照れてねぇッ!」
ちょっとからかうとすぐ否定してきた。
その事に美雪さんとクスクス笑っていると「お前は早く食え!」と注意されてしまった。
「はいはい。」
苦笑しながら再び食べ始める。
楽しいな、なんて考えながらその後も軽口を叩きあって食べた。
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