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4話
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朝食を食べ終えてからお互いの部屋に行き着替えを始めた。
いつも通りワイシャツの上に学校指定のセーターを着る。
5月にもなってこの格好は暑苦しいと言われるけど、これが一番落ち着く。
着替えを終えてから机の上に置いていたカメラを手に取り椅子に座った。
今まで撮った写真の中には空や花、景色などたくさんのものがある。
小さい頃から写真を撮り続けていて、中学に入ってからも写真部に入った。
多分、あの時写真部に入部していなかったら夜宵にも会えていないだろう。
元々僕はここの家の子ではない。
元いた場所は歪みきっていた。
中学3年の終わりくらいに雨の中を傘もささずに歩いていたところ、夜宵に声をかけられた。
その後色々あって此処に連れてこられたのだ。
自分の息子がいきなりずぶ濡れの知らない奴を連れてきたことに美雪さんも剛さんも驚いていたが、快く受け入れてくれた。
この家族には本当に助けられたと思う。
最初こそ敬語を使っていたのだが美雪さんに
「もう家族なんだから敬語なんて使わないで?」
と言われ敬語を取り払う事にした。
そこまで思い出したところで、机の上にある写真立てを手に持つ。
写真たての中には、此処に来てしばらくしてからみんなで撮った写真が入っている。
いつ見ても僕の顔はぎごちない。
その事に苦笑しているとドアをノックする音が聞こえた。
「入るぞ?」
そう言って入ってきた夜宵は僕の手に持っているものを見て「ああ。」と呟く。
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