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20話
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声のした方を見れば3人組の女子集団が1人の男を遠巻きに見ている。
いや、それだけじゃない。
他にもたくさんの女の人が遠巻きにその人物を見ている。
その人物とは、まぎれもない。
僕が今待ち合わせをしている碓氷 湊だ。
正直、あんな注目されてる奴のところなんて行きたくない。
少し離れたところまで行って待ち合わせ場所を変えると連絡をしよう。
うん、そうしようと考えてスマホを取り出して操作しようとした時、いきなり少しだけ暗くなった。
影が落ちたような、そんな感じの...。
太陽が陰っただけだと思っていると
「冬麻、久しぶり。」
「......気配消すのやめてくれない?」
いつのまにか近づいてきていた湊だった。
案の定、さっきまで遠目に見ていた女子たちの目線はこっちに集まっている。
おかげさまで不機嫌だというオーラを出したところで、コイツはいつも通りの笑顔をやめない。
挙げ句の果てには
「別に消したつもりはないよ?
駅から出てきてなかなかこっちに来なかったけど
冬麻のことだから、注目されるのが嫌だったのかな?
それなら悪いことをしたね。
あぁ、でも不貞腐れてる冬麻も可愛いなぁ。」
これだ。
気持ち悪いとか色々通り越してめんどくさい。
周りからも未だに黄色い声や視線が絶えない。
「......場所変えよう。」
僕はただ、その視線に対する吐き気を覚えた。
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