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43話 –真空side–
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「...見てたのかよ。」
「あれだけ騒いでたら目につく。」
睨んだところでいつもの余裕な笑みは変わらない。
舌打ちをして歩き出すと、当然のことのように後ろをついてくる。
最初の方こそ「なんでついてくるんだ。」と言っていたが、言ったところでついてくるからもう諦めた。
「それにしても、運が良かったね。」
「...何がだよ。」
「冬麻に会えたじゃないか。」
その言葉に静まりかけてた苛立ちがまた込み上げてくる。
思わず振り返って胸ぐらを掴もうとすると避けられた。
「そうやってすぐ取り乱すのは良くないよ?
そのせいでさっきも言いたいこと言えなかったんでしょ?」
「煩い、黙れ。」
睨んだところで何も変わらない。
ただ嫌味な笑みが返されるだけだ。
「でも本当に運がいいね。
この前会った時は私服だったから学校の特定はできなかったけど、今回は大丈夫だね。」
そう言いながら湊はスマホを取り出して操作し始める。
そして「本当に運がいい。」と笑ったあと画面を見せられた。
そこには「川崎高校」の文字。
そして
「...学校祭?」
7月の5日と6日に学校祭があると書かれていた。
「よかったね、まだチャンスはあるよ?」
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