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47話
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「冬麻、大丈夫か?」
「うん、結構寝たし平気。」
あれからかなりの時間寝てしまっていたらしく、夕食の時間に夜宵に起こされた。
クラスの女子から具合が悪くて帰ったというのを聞いたらしく、すごく心配されている。
「それよりごめんね、途中いきなり帰って。
鞄もありがとう。」
動揺しすぎて置いてきた鞄が部屋に置いてあったのには一瞬驚いたが、一連の出来事を説明されて納得した。
そのことのお礼を言うと「ああ...。」と少し心ここに在らずな感じで返される。
「...どうかした?」
気になって聞いてみるも「いや、なんでもない。」としか返ってこない。
それ以上聞いても同じ答えしか返ってこないと判断して僕も口を閉じる。
リビングについてからも美雪さんにすごく心配されて、ひたすら「大丈夫だよ。」と返し続けた。
夜宵の心配性は美雪さん譲りかなと思い、少し笑みが溢れる。
「...そういえば今日悟さん帰りは遅いの?」
話題を変えようと話を振ると
「そうなの、近々出前講座もあるみたいでその準備で忙しいみたい。」
と苦笑をしながら説明された。
悟さんは大学教授をしているので、この前のような帰りが早いのは殆どない。
「あ、そうだ。
その出前講座なんだけど、私も少し手伝うことがあるから2、3日家を空けるんだけど...大丈夫かしら?」
少し心配そうな顔で聞かれ夜宵と顔を見合わせる。
「多分大丈夫だろ。」
「うん。」
2人でそう返すと美雪さんは少し安心したように「ならよかったわ。」と笑った。
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