アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
62話 -夜宵side-
-
「ちょっと、黒川聞いてる?」
「あ、あぁ...悪りぃけど俺も今冬麻の事探してたんだよ。
チラシ配り終わって周り見たらいなくなってて......。」
「ごめんな。」と目の前の男に言うと「いや、キミが謝る事じゃないよ。」と薄く微笑まれた。
しかしその笑顔に少し違和感を感じる。
壁を感じる笑みに少し戸惑っていると八島が意外そうに
「へぇ、黒川と渕瀬が一緒にいないなんて珍しいね。」
と口にした。
「...そんなに一緒にいるの?」
「そうそう!
学校いる間もずっと一緒だし部活も一緒だよね?」
「あ?あぁ、そうだな。」
八島の言葉に頷くと目の前の奴は「へぇ......」と目を細める。
値踏みするような視線に居心地の悪さを感じた。
すると教室の中から八島を呼ぶ声が聞こえてきた。
「ちょっと千夜(ちよ)!サボってないで手伝って‼︎」
「あっやば!じゃ黒川、イケメンくんのお手伝いでもしてあげて!」
「2人とも渕瀬探してるならちょうどいいし!」と言って慌ただしく教室の中へ消えていく。
そんな無責任なことあるのかと思いながら隣のイケメンをチラ見する。
(......いや、気まづすぎるだろ。)
心の中で八島に文句を言っているとイケメンが口を開いた。
「どうかした?」
「えっあ...いや。」
何から話せばいいのか分からず口籠る。
俺ってこんなコミュ障だったか?
(......とりあえず名前だけでも聞くか。)
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
66 / 79