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63話 -夜宵side-
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「あの、さ...名前聞いてもいいか?」
少し控えめに聞くと「あぁ、まだ名乗ってなかったね。」と言われる。
「ボクは碓氷 湊。
冬麻とは中学が一緒だったんだ。」
「よろしくね。」と微笑まれ「あぁ」と頷く。
さっきのは気のせいだったのか今の笑みに違和感は感じなかった。
(碓氷ってどこかで聞いたきが...。)
碓氷という名前に聞き覚えがあるが、おそらく冬麻から聞いたわけではないだろう。
以前聞いた時も中学時代はほとんど1人だったらしく、友達らしい名前は聞いたことがなかった。
「...碓氷って珍しい名字だな。」
「まぁ、そうだね。親戚もあまりいないかな。」
今の言い方だと親戚をほとんど把握してるのだろうか。
正月だとかの行事で集まることはあってもそこまで把握はできない気がする。
それとも本当に把握できるほどしか人がいないのか。
色々考えていると「ごめんね、少し携帯を操作してもいいかな?」と聞かれた。
「え?あぁ、大丈夫だけど...。」
「ありがとう。一緒に来た子が逸れてね。」
いや、なら冬麻よりそっちを探せよと思ったけれど言葉を飲み込む。
少しすると碓氷は顔を上げた。
「ごめんね、もう少しで戻って来るみたいだからもう少し話し相手になってくれない?」
「あぁ、連絡とれたんだな。」
「うん、少し機嫌が悪そうだけど来ても気にしなくていいから。」
碓氷は「短気なんだよね」と言うとクスリと笑った。
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