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66話 -夜宵side-
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(......間違いない。こいつが真空だ。)
そう認識した途端警戒心を丸出しにしてしまう。
しかし、相手は俺のことを知らないし俺だってこいつのことをよく知らない。
なのに警戒心をむき出しにしてしまうのはどうなのか。
一瞬そんな考えがよぎったが相手の顔を見た瞬間それは杞憂だということがわかった。
真空の方も俺のことを鋭く睨んでいた。
「ほら、ちゃんと挨拶しなって。」
「失礼だよ?」と碓氷が笑う。
それに対してとても不機嫌そうな顔をして
「......はじめまして。」
と言い、そして
「兄さんがお世話になってるようで?」
と鼻で笑った。
敵対心のようなものをあからさまに向けられ流石にイラついてしまう。
「...あぁ、そうだな。でもお前には関係ないだろ?
神崎 真空クン?」
「は?気安く名前呼ぶなよ。気色悪りぃな。」
冬麻とは本当に真逆だ。
なんなんだこいつは。
口も態度も悪すぎる。
イライラが増しお互い睨み合う。
すると
「はいはい、真空やめなよ。
そうやってすぐに喧嘩売るのよくないよ?」
本気で叱る気の無いような声で碓氷が止めに入る。
「それにもう時間だ。」
「.........チッ」
碓氷の言葉に舌打ちをしつつも言うことを聞く真空に違和感を覚える。
そんなことを考えているうちに真空が俺の横を通り過ぎた。
「ごめんね、何でもかんでも威嚇しちゃう子なんだ。」
碓氷からいきなり謝罪をされ、ぶっきらぼうに「別に」と答える。
するとくすりと笑った後に
「またね、黒川 夜宵君。」
と言って碓氷は真空の後を追いかけていった。
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