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「ねーねー!さっき真島くん見たんだけど、今日も格好良かったー!」
「プリンスやばいよねー!彼女とかいたらホント凹むんだけど」
「でも女の噂とか全然立たないよね。はー、真島くんに押し倒されたりとかしてみたいー!」
「なにそれやばすぎじゃんっ」
キャッキャッとクラスの女子共が盛り上がっている。
「あれ、なんか高瀬顔色悪くね。ご機嫌斜めか?」
「いや…別に」
女子共の会話が耳に痛い。
彼女と昼飯食って戻ってきたらしいヒビヤンは、俺の顔をフーンと意味深に一瞥して後ろの席についた。
「真島と何かあった?」
うるせえ。黙って座ってろ。
後ろから飛んできた声に内心ギクリとしたが、冷静を装ってちらりと視線だけ後ろへ向ける。
「なんもねーよ。つかそもそもなんで真島なんだよ。あったのは咲希ちゃんの方だ」
「あー、あのメンヘラちゃんね。謝った?」
「いや、やばそうな感じがしたから他に好きな子いるって言って終わらせた」
「高瀬にしては賢明な判断じゃん」
俺にしてはってどういう意味だ。
とはいえ咲希ちゃんとの関係もあっさり終わりを告げたし、さて次はどうするか。
そういや友達が合コンしようとかこの前言ってたな。
「そんな高瀬に朗報があるけど聞く?」
「え、なに。聞く。女?」
「性欲の塊かよ。そうじゃなくてもうすぐ期末テストあるだろ」
「うわっ」
なにが朗報だ。完全に悲報じゃねーか。
「さっき彼女と一緒に勉強しようって話になってさ」
「勝手にどうぞ」
「へー。なんか向こう女友達連れてくるから何人かで集まってやろうって話なんだけど。まあ勝手にやっとくわ」
「おいおい、俺達親友だろ」
振り返ってガシリとヒビヤンの手を掴むと、屈託のない笑顔を向ける。
つまりそれって勉強会という名の合コンじゃねーか。
最高かよ。
「お前ってほんといい性格してるよな」
ヒビヤンに白い目で見られたが、そんなことは気にしない。
期末テストはだるいが、これでも俺はそこまで成績悪くはない。
まあ良くもないが。
「ああ、そうだ。真島も呼べよ」
「はあ?だからなんで真島なんだよ。…なんか最近ヒビヤン、俺と真島のこと面白がってね?」
ちょいちょい真島を話題に出してくるんだよな。
俺をホモキャラにする気かこいつ。
冷やかな視線で返したら、キョトンとした顔でヒビヤンは瞬きをした。
「何言ってんだ。だってあいつ特進科だろ。せっかく高瀬知り合いなんだから、呼べば勉強会捗るんじゃねーの」
「……」
なるほど。そういう意味か。
そういやアイツが頭いいことすっかり忘れてた。
というか俺のほうが真島について、過剰に反応してどうする。
知らずの内に多少なりとも真島に毒されてるんだろうか。
ヒビヤンよ、疑って悪かった。
気持ちを切り替えるように一つ息を吐き出すと、少し表情を和らげる。
「ああ、確かにそうだな。聞いてみるよ、真島に」
「ま、面白がってるのは事実だけどな」
「……」
さすがは俺の友人。
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