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「なあ、お前って部活いつまであんの?もうすぐテスト期間だろ」
「ん、部活は昨日でもう終わりだよ。普通科の子はまだやってるけど」
「ああ…特進科って勉強忙しそうだもんな」
今日も真島に作って貰った弁当を、モグモグと口に頬張る。
このチーズ入りコロッケ、めっちゃ美味いんだが。
なんだか日に日に真島の料理スキルが上がっていってるような気がする。
もちろんそれは俺にとって非常に喜ばしいことなのだが。
「でも代わりに今日から8限目まであるから、あまり時間は変わらないかなあ」
「8限!?」
うわあ、ドン引いた。
テスト期間て早く帰れて暇だしバイトいれとくか、なんて考える普通科の俺には無縁の世界の話だ。
「へー、ならいいや。勉強頑張れよ」
「えっ、なにが?」
ヒビヤンに持ちかけられた勉強会、真島も誘ってみるかと思ったが、やめた。
特進科というのは思った以上に勉強が大変らしい。
まあだから特進科だしな。
そもそも俺達と勉強することに真島は何の利点もないし、むしろ真島の成績が落ちそうだ。
「ああいや、別に」
「えっ、き、気になるよ」
「なんでもないって」
少し強めに言ったら、真島はハッとしたように押し黙った。
何か失言してしまったかも、みたいな後悔してる表情。
全くコイツは。すぐそれだ。
まあ中途半端な言い方してしまったのは俺の方だし、真島のしょげた顔見てるのも鬱陶しい。
仕方なく一応聞くだけ聞いてみるかと口を開いた。
「クラスの友達と期末に向けて勉強会しようって話出てんだよ。それでお前頭いいから、一緒に出来ねえかなって」
人を誘うには、随分ぶっきら棒な言い方だったと思う。
だが真島はまるでご褒美を与えられた犬の如く、何一つ濁りのない視線で目を輝かせた。
「い、行きたい!その、俺なんかが高瀬くんの力になれるかわからないけど…っ」
「…あー、そう。お前のためには全くなんねーと思うけど…」
「そんなことないよ!絶対そんなことないからっ」
勢い良く言われたが、なんとなく気が引けるというか。
これで真島の成績が下がったら俺のせいになるんだろうか。
珍しく真島のために思ってやった罪悪感だったが、もはや真島の意思は堅いらしい。
頼んでるのはこっちのほうだったはずだが、なぜか真島から『お願い』と懇願された。
まあ自分で行きたいって言ってるんだから、成績が下がったって自業自得だよな。
俺が気にしてやる必要はないか。
そもそも俺はクソ真面目に勉強なんかする気はサラサラないけどな。
俺の目的はただ一つ。
新たな女の子との出会いを手に入れることだ。
そのためにも、一応真島に釘刺しておくか。
「分かった。ただし、俺とお前が付き合ってることは誰にも言ってないんだからさ、俺の事変に意識するんじゃねーぞ」
「うん!俺頑張るよ」
一体勉強会で何を頑張ろうとしているんだコイツは。
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