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「真島と別れた?」
教室に戻ったら、ズケズケと人の心を抉りにくるヒビヤンと目が合った。
いや、こんなことで心抉られている時点でおかしいだろ。
「別れてねーよ。もう女出来るまでとことんあいつに付き合うことにした」
「なんだそら。だったらもう真島好きになればよくね」
「無理。俺ヤりてーもん」
「…ああ」
そうだ。俺は可愛い女の子とエロいことして青春を過ごしたい。
というかこれが普通の男子高校生だろうが。
「まあでも俺がこれであいつに隠すことはなくなったし。もうヘタに気を使わなくていい分楽だな」
「真島も報われねーなあ」
報われる事を自ら手放したのは真島のほうだ。
さすがに俺の本性を知れば離れると思っていた真島は、涙の一つも見せずに俺を受け入れた。
真島が受け入れてくれたことに内心ホッとしたなんてのは、信じたくなかった。
「まあでももうすぐ夏休みだしな。しばらく会わなかったら気も変わるだろ」
「あー。夏休みはいいけど宿題だりーなあ」
それは同感だ。考えるだけでもあの課題の山にはうんざりする。
あれ以降だが、真島との関係はとくに変わることはなかった。
あいつは相変わらず人の顔を見て挙動不審で、だけど機嫌良さそうにしてやれば嬉しそうに尻尾振っていた。
貞男には話が違うと腹にワンパン食らったが、それでもなぜかホッとしたようでもあった。
そうしているうちにあっという間に終業式はやってくる。
明日からの夏休みを思えば、俺はかなり浮かれていた。
「うめちゃん」
HRを終えてヒビヤンと解放感からテンション高めに喋っていたら、聞き覚えのある声に呼ばれた。
振り向けば、さらりと揺れるポニーテールが可愛い女の子。
亜美ちゃんだ。
そういや忘れてたな。
「おー、久々」
「明日から夏休みになっちゃうね」
「だなー。まあバイトばっかりだけどな」
「あ、そうなんだ。バイト先遊びに行っちゃおうかな」
「マジ?亜美ちゃんだったらすげーサービスするよ」
調子よく言ったら、亜美ちゃんはクスクスと笑う。
まあサービスする権限なんて俺にはないけどな。
軽く世間話をしたところで、ちらりと亜美ちゃんの手を見る。
相変わらずその指先は、キラキラと光っている。
で、要件は真島だろ。どうせ。
「真島に会えなくなっちゃうな。夏休み」
「あっ…えっと、うん」
さっと亜美ちゃんが顔を赤くする。
真島が俺を見る時みたいな顔で、亜美ちゃんは胸に手をあてた。
「あ、でもね。真島くん夏期講習受けるって言ってたから。私もそれ受けることにしたんだ。特進科とはレベルが違うから、会えるかどうかは分からないんだけどね」
「うへえ、マジか」
真島のために勉強する選択肢とかすごいな。
やっぱり情くらいじゃ一緒に勉強する気にはさっぱりならない。
「あ、あのね。それで夏休み中にお祭りがあるから、一緒に行きたいんだけど…。仁美も連れてくから、また一緒に行かない?」
「おー、いいねお祭り」
「やったあ。てかうめちゃん、仁美とメッセやり取りしてるんでしょ?」
「あー、うん」
そういえば遊園地の後から、仁美ちゃんからはわりとメッセがきている。
別に当たり障りのない話題だし、真島とごたついてたのもあって気にしていなかったが。
ひょっとしてかなり脈アリな状況だったのか?
「一緒に頑張ろ!」
ガシッと両手を握られる。
なんか勝手に同士にされた。
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