アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
65
-
さて、文化祭前日。
いよいよ明日が本番だと、学校中が忙しなく動いていた。
今日は授業もなくてどこのクラスも文化祭の準備にあたっている。
文化祭実行委員の俺はクラスの出し物にあまり参加出来ていなかったが、どうせコスプレ拝みたいだけだから別に何の問題もない。
当日は一般公開もあるから、俺は実行委員の仕事として監視役を任されていた。
見回りとかサボれて最高すぎる。
「うめのん、明日一緒に模擬店見て回ろうよ」
「嫌ですけど」
「うちのクラスメイド喫茶やるんだよ。メイドさん好きでしょ?ご奉仕されるの大好きだもんね?」
「ナチュラルに性癖バラすの止めて下さいよ。メイドでも行きませんから」
「じゃあ着替えたら迎えに行くね」
先輩は楽しそうにそう言って俺の教室から去っていった。
もう全く話を聞いてくれないんだが。
「なに、今度は誰。お前メイド好きなの?真島に言ってやろうかな」
廊下側の窓越しで話してたから、その隣で扉に寄りかかっていたヒビヤンにもばっちり聞こえていたらしい。
思いっきりしたり顔で首突っ込んできた。
「アイツがメイドの格好して来そうで怖いからやめろ」
「じゃあ今の誰?」
「元カノ」
ヒビヤンはへー、と先輩の後ろ姿を目で追う。
「いかにもヤラしてくれそうだな」
「ヤラしてくれるぞ。付き合いたいならオススメはしないが」
「なんだその体験談」
興味ある、とニヤリと笑うヒビヤンにゲシッと蹴りをいれる。
教室内は既にそれらしい雰囲気に仕上がっていて、女子は最後の服の仕上げをしていた。
メイドにナースに婦人警官、和服にSM女王までいる。
ちなみに男はただのウェイターの格好で、特にこれと言ったネタはない。
まあ男なんかどうだっていいしな。
「でもお前せっかく文化祭なのに真島と回らねーの?」
「回らねーよ。アイツ注目されてそれどころじゃないだろ。俺だって女子に殺されたくねーわ」
「あー…女子の真島争奪戦やばそうだな」
「しかもアイツ演劇やるらしいから、余計に騒がれんじゃねーの。モテる奴はいいよなー」
はっと笑って言ったら、ヒビヤンに何故か頭を撫でられた。
なに気色悪いことしてんだ。
「いや、拗ねてるみたいだなーと」
「…はあ?」
「よしよし、俺が暇だったら一緒に回ってやるからな。お前の奢りで」
「マジで損しかねーんだけど」
触んなと手を払いのけようとしたら、それをする前にヒビヤンの手が持ってかれた。
「…日比谷くん、あまり高瀬くんに触らないでほしいな」
丁度話の的である学園のアイドルが、ピクピクと唇を震わせながら窓越しに笑顔を作っていた。
どうやら男相手には真島も容赦ないらしい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
72 / 251