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ホテルの部屋は5人一組で、安定のヒビヤンと同じ部屋だった。
チェックインして荷物を部屋に置いてから、少しの自由時間後夕食となる。
俺としては夕飯まで時間あるなら朝も早かったし寝たかったが、とりあえず探検しようぜと言ったヒビヤンに連れ出された。
ホテル自体はよくある修学旅行生も受け入れバッチリな大型ホテルで、特段変わった所があるわけでもない。
ただふと、真島はどこに泊まっているのかなとは思った。
アイツにはスマホ禁止と送ってから、何も返事は返ってきていない。
まあ禁止したから当然だが、たまには文句の一つも言ってこい。
ちょっとしたゲームコーナーを見つけたり、やたら高級そうなレストランに迷い込んだり、謎の御札を発見したりとしているうちに女子の人だかりを発見した。
「真島じゃね」
女子のいるところ=真島となっているらしいヒビヤンの言葉で顔を向ければ、案の定真島がいた。
俺より先に俺を見つけていたらしく、目があった時にはもうこっちに走ってきていた。
相変わらず俺には真島専用の謎のGPSでもついているらしい。
「――高瀬くん!ど、どうしてここに…」
「どうしてって俺も修学旅行生だし。ヒビヤンと探検してたんだよ」
「えっ?あっ、日比谷くんこんばんは」
「おう。物凄い今気付いたみたいな反応だな」
まあそう言ってやるな。
真島が俺しか目に入ってないのは今に始まったことじゃない。
周りから見たら酷い自惚れのようなツッコミだが、実際そうなんだから仕方ない。
「お前部屋この辺なんだ?」
「うん、すぐそこだよ。嬉しいなぁ、高瀬くんに偶然会えるなんて」
ふふふ、と真島は幸せそうに頬を緩ませる。
どうやらメッセのことは気にしていないようだ。
「日比谷くん、ずっと高瀬くんと一緒に回れるなんて羨ましいなぁ」
「まあな。風呂も一緒だぞ」
あ、ヒビヤンそれはまずい。
直感的にそう思ったが、時既に遅し、ヒビヤンの台詞に真島は思いっきりビクリと表情を強張らせた。
あっという間に餅を喉に詰まらせたみたいな青い顔になる。
「あら、今のはまずかったか」
ヒビヤンがヒクリと顔を引攣らせる。
間違いなく軽く茶化したつもりだったんだろうが、真島は実際かなり単純で俺への独占欲も半端ない。というか冗談通じない。
しかもその辺の話題は、今俺と真島にとっちゃリアルタイムにあまり触れたくない事柄でもある。
「お…お風呂って…それってつまり――」
「じゃ、じゃーな真島!修学旅行楽しめよ!」
余計な事言われる前に俺はヒビヤンの背中をぐいぐい押して真島の前から消えることにする。
ほぼ逃げるようにダッシュでその場を回避すると、ヒビヤンはスマンスマンと悪気無さそうな顔で言った。
「まさかあんなマジな顔されると思わなかったわ」
そりゃそうだ。
修学旅行で皆一緒に風呂だとか、今更だが当たり前のことすぎる。
どう足掻いたってそこは変わることはないし、別に男同士なんの問題もない事だ。
だが性的な意味で現在進行形で俺に対して我慢しまくってる真島に、今それを言うのは酷ってもんで。
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