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それから残りの夏休み、俺達は出来る限り一緒にいた。
真島は相変わらず忙しそうだったが、それでもなんとか時間を作って俺の家へ来ていた。
「暑い。いやマジで暑いんだが」
「ん…暑いね。大好き」
太陽も天辺に上る日中、汗だくになりながら真島に伸し掛かられて、シャツの下を弄られる。
窓は全開、扇風機も全開、だがさすがにこの時間は暑すぎる。
ミンミンと鳴く蝉の声が余計に暑さを助長させている。
「あーもうクソ暑い。引っ付くな」
「はぁ…高瀬くんの匂い」
スーハーと変態じみながら匂いを嗅がれて、やめろとその身体を押す。
だが真島は俺を離さないどころか、足まで絡めて密着してくる。
マジでくっそ暑い。
遠慮なしにシャツをたくし上げて何度も口付けられて、そんなことをされれば身体が疼いてしょうがない。
「あー…もうお前最後までヤらねーならさ、煽るのやめてくんね…」
「…お、俺我慢するから…怖いことしないから…っ」
それでも触りたいんだとその目が言っている。
コイツはきっと分かっていない。
自分だけが酷く熱を持て余していると思い込んでいる。
俺は真島の腰を取ると、ぐいと自分に引き寄せた。
最初少しキョトンとしたようだったが、次の瞬間俺の意図を知って、驚いたように真島が身体を強張らせる。
「――う、噓…」
「噓じゃねーよ。当たり前だろーが。俺だって高校生男子なんだよ」
ドカンと爆発しそうなほど真島の顔が赤くなる。
俺は少し面白くなって、思い知ったかとぐりぐり真島に腰を押し付けてやる。
正直少し前からちょいちょい勃ってはいた。
それでも頭がいっぱいいっぱいすぎて、そっちまで気持ちが追いつかなかったが。
悪ふざけして押し付けてたら、真島の勃起と擦れてお互いに息を詰める。
スッとどこか真島の瞳から色が抜けていく気がした。
「大丈夫だよ。俺がお世話してあげるからね。ちゃんと全部やってあげるからね」
いやなんかこえーんだが。
今までの我慢は何だったのかと言うほどあっさりベルトに手を掛けられると、あっという間に外される。
そのまま引き抜かれそうになったズボンを、慌ててガシッと両手で抑えた。
いやいきなりスイッチ入りすぎだろ。
だが真島は俺の手には気にも止めず、ズボンの上から硬くなった下半身に触れて、あろうことか愛おしげにキスされた。
思わずぶるりと身体を震わせる。
「い…いや、待て。ちょっとタイム」
「うん。大好きだよ」
全く会話の成立しない真島に強引にズボンを引きずり降ろされそうになったその時、家のチャイムが鳴った。
ニャーと猫が呑気に鳴く。
ゲシっと真島を蹴って押しのけると、走って玄関の扉を開けにいく。
「よー、高瀬。予告通り宿題やってもらいにきた」
麦わら帽子を被って見るからにバカンス中なヒビヤンがそこにいた。
その後去年と同様貞男も呼ぼうぜというヒビヤンと、四人で宿題をやることにする。
コイツ貞男にやらせる気満々じゃねーか。
真島が呼んだら速攻で飛んできた貞男は、夏休みだと言うのに全くもって日焼けせず、むしろ涼し気な雰囲気すら醸し出していた。
「奏志、会いたかったよぉ。合宿行っちゃったから夏期講習でも会えなくて寂しくて…」
「ごめんね、ユキ。残りの夏期講習は一緒に頑張ろうね」
「うん…っ。あのね、俺今年は少しだけど帰省して奏志にお土産買ってきてね…」
俺とヒビヤンがめっちゃ真顔でいる事に誰かツッコんで欲しい。
とりあえずこの家じゃ暑すぎるのでファミレスにでも行こうとなって、涼みつつ宿題を進めることにした。
宿題中に七海から飯を誘うメッセが届いたので、今ファミレスにいるから来いよと誘う。
このメンバーなら全員七海も知ってるし。
しばらくの後七海が到着して、珍しい組み合わせだが賑やかに5人で雑談しつつ宿題をやる。
「七海って頭いいの?」
何気なくヒビヤンが七海に聞く。
「え?俺これでも特進科ですよ」
「マジかよ。なんでもいいから俺の宿題頼むわ」
「先輩とは思えない発言っすね。口の利き方から教えてあげましょうか」
「お前も後輩とは思えない口の利き方だな。躾てやろーか」
ヒビヤンと七海がなんか話している横で、真島がニコニコと俺を見る。
さっき邪魔されたくせにやたら機嫌良さそうだ。
「高瀬くんの宿題は俺がやるからね。飲み物持ってこようか?甘い物食べて待っててね」
「うるせー。自分の課題だけやってろ」
そう言ったらゲシっとテーブルの下で貞男に足を蹴られた。
真島に塩対応する度に俺の足を蹴ってくるから、腹立ってこっちもやり返す。
結果テーブルの下で謎の猛攻が繰り広げられている。
時間は長閑に過ぎていき、刻一刻と夏休み終了へ近付いていく。
特に何するでもなく学生生活最後の夏休みが終わっていくが、俺の中では大切な思い出の一つとして刻み込まれた夏休みだった。
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