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それからすぐ真島に抱き締められた。
犬みたいに懐かれながら、何度も何度も頬やこめかみに口付けられる。
「好き。ありがとう。大好き…ごめんね」
お礼を言うのか告白するのか謝るのかはっきりしろ。
だが真島の機嫌が直ったらしいから、俺は一先ずホッとする。
何も了承を得ずに重ねられた唇は、数度啄むように吸い付かれてから、俺の後頭部に回った手に深い口付けにされる。
身体を突き抜けていくような気持ちよさに、あっという間に俺はドロドロにされていく。
「…はぁ、真島…誰か、来たら…」
「うん、ごめんね、ごめん――」
そう言ってまたキスをされる。
授業中とはいえ学校だ。
今更といっちゃ今更だが、それでもそう長い間こうしているわけにもいかない。
「…っあ」
耳に吸い付かれて、かと思ったら舌を差し込まれた。
濡れた音がすぐ耳元に響いて、甘い痺れと共に力が抜けてしまう。
執拗に舌先でくすぐられて、ゾクゾクとこみ上げる気持ちに耐えながら顔を俯かせる。
真島は俺の腰を支えながら、小さく耳元で笑った。
「…高瀬くん、耳弱い?反応がすごく可愛い」
「…っ、そんなところ舐められたら、誰だって――」
ぎゅっと目を閉じて耐えながら言い返すと、カプリと耳を甘噛されて肩が跳ねる。
不意に俺を支える真島の手に力が入った。
いつものように強引に押し倒されるのかと思ったが、それは一瞬の事で優しくまた支えられるだけだった。
「はぁ…我慢、難しいな」
「…え?」
「ううん。なんでもないよ」
何か呟いた気がしたが、真島は緩く首を振って今度は俺の耳裏を舐めあげる。
「あっ…やめ――」
ビクビクと身体を震わせると、堪らないと言った様子で腰を引き寄せられた。
完全に真島の膝に乗る形で抱きかかえられて、女みたいな位置に余計に羞恥が募る。
体格差があるから仕方ないんだが、なんとも納得し難いというか。
そしてめっちゃ腰に硬いモン押し付けられてるんだが。
こんなところで盛ってんじゃねえ。
「…ね、お顔あげて。高瀬くんの顔が見たい」
最近の真島は俺の顔をやたら見たがる。
何かする度に人の反応を伺っているような、いや前からと言われたらそうだが、それでも前のような嫌われたらどうしよう、という怯えた見方ではない。
俺が何をしたら喜ぶのかと、その反応を知りたがっているみたいだ。
前のように好きだ愛してるずっと一緒にいたいんだと縋るように喚いて、欲望のまま俺を押し倒すような事はしなくなった。
それでもその分前より俺に触ることを躊躇しなくなっていて、やめろと一度や二度言っても全く聞かない。
時間がないというのもあるんだろうが、俺に対する遠慮を段々としなくなってきた。
真島は自分も覚悟をすると言ったが、こんなんで本当に出来ているんだろうか。
予鈴が鳴るまで一頻り俺を喜ばせるような愛し方をされ、心臓が壊れるかと思った。
大切な毎日はどんどん過ぎていく。
真島は勉強が本当に忙しく、この時期の特進科なんてピリピリした空気が普通科にまで伝わってくるほどだ。
それでも俺に対する真島の態度は相変わらずで、勉強が忙しいなんて顔は微塵もしなかったが、きっと身体は疲れているんじゃないかと思う。
「受験生にしてやれることってなんだろうな」
「まず服を脱いでですね」
「もういいわ」
七海の言葉をさくっと制する。
真島の時間があわないから、ヒビヤンと七海と学食で飯を食っていた。
「いや、案外七海の言葉は的を得てるんじゃねーの?疲れてる時ほど性欲盛んになるのは分かる」
「俺高校受験の時でも毎日二回抜いてましたよ」
「なんですぐ話がそっちに行くんだ。俺にはマトモな友達いねーのか」
もっとこう、弁当作ってやるとかお守りあげるとかストレス与えないようにするとかなんかねーのかよ。
とはいえ弁当は作ってもらってるし、お守りも残る物はやりたくないし、ストレスも卒業式の約束のせいで過剰なまでに与えてしまっているわけだが。
そう考えると俺ってなんてダメな彼氏なんだろう。
何から何まで俺は真島にしてもらってばかりで、自分がしてやっていることの無さに愕然とするほどだ。
「いいんじゃねーの。そばに居てやるだけで大喜びしてんだろ」
「まぁ…それくらいしかないんだよな、実際」
ヒビヤンの言葉に一つため息をもらす。
俺は真島に何かしてやりたかった。
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