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「――わっ、あっ、ご、ごめんなさい。お、俺高瀬くんになんて事を…っ」
一度イッたことでどうやら冷静になったらしい。
ハッとしたように慌てて後ろから抱き締められた。
ぼんやりとした頭で俺は顔を少し動かし奏志の顔を睨む。
「…怖いことしないって言ったよな」
そう返した俺の言葉は掠れていた。
一体どれほど喘いだんだ。
「ご、ごめんなさい、ごめんなさいっ…高瀬くんが可愛すぎてつい…」
というか中のモノを抜け。
「…ま、毎日高瀬くんで妄想してたはずなんだけど…っ、実際は想像より全然えっちで…。ほ、本当に我慢できなくなっちゃって――」
さらりと毎日オカズにしてます宣言までされた。
「…せっかくお前とすんの初めてなのに」
「ごめんなさい。ごめんなさい…っ。き、嫌いにならないで…っ。もうしないから…一生触るの我慢してもいいから…っ、き、嫌いにだけはならないで…っ」
もう顔面蒼白で地球最後の日みたいな顔で縋ってくる。
コイツのこんな顔はそういえば久しぶりだな、なんて思う。
さっきまであんなに発情期の犬だったくせに、あっという間に震えて捨てられそうな犬みたいになる。
見覚えのある怯えた表情は、いつだって俺の言葉を気にしてビクビクしていた最初の頃と同じだ。
絶対に許さんと怒ってやろうと思ったのに、俺よりも遥かにショックを受けた顔をされたら怒るに怒れない。
仕方なくさらりとした髪に手を滑らせる。
ゆるゆると撫でてやると、俺の態度にもう怒っていない事を察したのか、呆然とした瞳が返ってきた。
すっかり血が止まった鼻栓を取ってやってその鼻の頭にキスしてやると、顔を傾けてそっと唇を重ねてきた。
素直に受け入れてやるとホッとしたようにゆっくりと甘く舌を絡ませられる。
さっきまでの態度が噓みたいに、唇を甘噛みされ舌先をくすぐられて気持ち良くてとろりと目が潤む。
「…好きだよ。ごめんね」
優しく髪を撫でられ、目尻に口付けられ、いつものように愛情たっぷりに甘やかされる。
繋いだ指を絡めて、俺を安心させるようにずっと優しいキスだけを繰り返す。
「…大好きだよ。梅乃くん。だいすき」
落ち着いた低音ボイスで名前を呼ばれて胸がぎゅっと掴まれる。
こんな時になって名前で呼ぶなんてずるい。
なんだか泣きたくなってくるような、無性に我儘を言いたくなるような、ズブズブな感情。
「…く、苦しかった。いきなりすぎて…、お前言っても聞かねーし…」
「ごめんね。本当にごめんね。痛かったよね。つらかったよね。酷いことしてごめんね」
「…大丈夫だけど。でももう少しゆっくりしてくれたら…」
「うん。もう絶対に酷いことしないからね。…大好きだよ。愛してるんだよ。俺には梅乃くんだけなんだよ」
与えられる言葉の深みに、心が震える。
ごめんなさい、大好きだよ、嫌いにならないでと何度も謝られながら、優しく髪を梳かれる。
自然と目尻に浮かんだ涙に唇を寄せられ、大切だよと何度も言われた。
さっきの手酷い行為からは想像もつかないような甘ったるさだ。
次第に力が抜けて、俺は熱く息を吐き出す。
「…っん」
俺の中に入りっぱなしのモンを意識したら、今の行為で慣らされきった身体にむず痒い感覚が込み上げていく。
再び下半身に血が溜まっていくのを感じて、俺は奏志の髪を少し引っ張った。
「…も、もう分かったから…」
「ううん、もっと優しくさせて。謝らせて」
「…いいから。それよりもう終わりかよ」
「えっ」
そう言ったらあっという間に中に入りっぱなしのモンが硬さを取り戻す。
なんだそのスイッチの切り替えの早さは。
再び張り詰めた感覚に顔を歪めたら、慌てたように抜こうとしたからその手を抑える。
「いいよ」
「で、でも梅乃くんの身体のほうが…」
「俺がいいって言ってんだよ。このままつまんねー終わり方したくねーし…」
まだ怖さはあるがそれでもコイツは反省してるし、それにこのまま終わったらそれこそ反省しまくって二度と手を出してこなくなりそうだ。
せっかく両想いになれたのに、奏志の中で苦い思い出で終わらせたくない。
「そのかわりゆっくりだからな。本当にゆっくりな」
フリじゃねーぞと釘をさす。
奏志は俺の言葉にコクコクと頷くが、あっという間に鼻息が荒くなっていく。
「あ、大丈夫…っ。大丈夫だから…っ」
そう言ってさっきは全く大丈夫じゃなかったんだが。
それでもさっきのようにもうがむしゃらに腰を動かされることはなく、ちゃんと俺を気遣うような動きをされる。
圧迫される苦しさはどうしてもあったが、ずっと続けていれば身体は順応するように慣れていく。
痛みはとうに麻痺し圧迫感にも慣れた頃、不意に掠めた一点に俺は背を仰け反らせた。
「――っあ」
今までに感じたことのない感覚に、シーツを握りしめて目を瞬かせる。
俺の反応に気付いたように奏志が耳元に口を寄せてきた。
「…ん、ここ好き?」
しまった、と思った。
「――っうあ!」
思いっきりそこを目掛けて突き動かされる。
コイツ、本当にそこが俺のいいポイントだと知ったら容赦ない。
今までに知らなかった快感が次々に込み上げ、耐えきれず唇を噛みしめる。
「ダメだよ。唇が傷ついちゃう。噛むならこっち噛んでね」
唇を開かされて、奏志の指を差し込まれる。
思わずがぶっと強めに噛んでしまったが、痛みに狼狽えることも指が口から引き抜かれることもなかった。
「…っは、気持ちいい?ね、教えて?梅乃くんの気持ち全部教えて?」
しかも無自覚に言葉で煽ってきやがる。
一度そこに快感を覚えてしまったら、もう頭が真っ白だった。
腰を持ち上げられて、完全に硬さを取り戻した俺のモノも一緒に扱かれる。
「あっ、あぅ、一緒に…っやめ…」
額から汗が流れ落ちて感じたことのない快感に身体が震える。
熱くて大きな手のひらに容赦なく扱かれて、あっという間に上り詰めていく。
「あっ、あっ…やばい、また…っ。待って、真島っ、真島――」
もう名前を呼ぶことも忘れていた。
熱く呼気を吐き出したその唇が、俺の耳に寄せられる。
ふふ、と吐息が耳にかかった。
「違うでしょ?名前で呼んで?」
酷く熱を持った声に囁かれ、そのまま耳を舐め上げられる。
――瞬間、名前を呼ぶ余裕もなく俺は呆気無くイッてしまった。
もしかしたらこいつは、天然のドSかもしれない。
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