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「…っ、だから先に風呂入るって――」
「うん。好き…っ。大好き…っ」
家に帰って玄関先で押し倒されて、スンスンと犬みたいに懐かれる。
明日休みだと知っているとコイツは容赦ない。
頭真っ白で求められてるんだろうなというのが分かって、安定の愛情のデカさとコイツが変わらないことにホッとしてしまう。
俺も大概コイツに毒されている。
ぐりぐりと服の上から股間を押し付けられて、カッと顔が熱くなる。
そんなセックス覚えたてのガキみたいに率直に求めてくんな。
奏志とはもう何度も身体を重ねているのに、コイツはいつだって全力で大興奮して俺を押し倒してくる。
「だ、大丈夫っ。明日学校いかないとだもんね。ちょっとだよ。ちょ、ちょっとだけだからねっ」
それと全く同じことを言いながら女子高生にセクハラする変態親父のAVを思い出した。
そういや昔ヒビヤンに貸したまま返ってきてねーな。
とりあえず全く大丈夫じゃなさそうな顔で鼻息荒く言われて、思わずその顔を掴んで押し返す。
「ちょ、怖いっつの。落ち着け。マジで食われそ――」
だが言ってる間にほとんど噛みつかれる勢いでがぶっとキスされた。
唇を吸われて、強引に入り込んできた舌が問答無用で俺の舌を絡め取る。
「んーっ…は…っ」
何度も何度も角度を変えては唇を貪られる。
まるで絶対に逃さないんだと全力で訴えられているような必死なキスに、こっちまでつられて息が上がっていく。
ヤバい、俺も頭が真っ白だ。
オレンジ色だった玄関先が薄闇に染まり、相手の顔が見えるか見えないかの暗さになり、腹を空かせた猫がニャーと鳴き、それでも離さない奏志に猫パンチかまして餌よこせと鳴かれてようやく奏志は俺を離した。
その頃にはさすがに俺もグデグデで、ぼんやりと肩で息していると奏志に抱きかかえられてリビングへ連れていかれる。
「ごめんね。離せなくなっちゃって」
「…いつものことだろ。つかお前顔引っ掻かれてる」
ソファに座らせられて、スーツの上着を脱がされながら傷跡がついたイケメンの頬を撫でてやる。
明日人前に出るのに残ったらどうすんだ。
奏志は頬を撫でた俺の手を取って、それすらも大切そうに口付ける。
本当にコイツは俺の行動の全てに愛情で返してくる。
なんだかくすぐったくて思わず息をもらして笑ったら、切なげに唇を噛み締めて抱きしめられた。
「おい、また引っ掻かれるぞ」
「あっ、そうだっ。餌だよね。猫さんの餌っ」
「猫なんかより俺の飯はー?」
「うんっ、すぐ用意するね」
赤い顔で満面の笑みを漏らす奏志は、俺のスーツを丁寧に掛けてからキッチンへと向かっていく。
アイツの姿が見えなくなってから、熱い顔を冷ますように一つ息を吐き出す。
なんでもないようにしてるが、正直アイツの愛情は本気で凄まじくてこっちの心臓が持たない。
バクバクと鳴る心臓を落ち着かせるように胸を抑えて目を瞑る。
こんな頭の先までどっぷり浸かるような愛情を受け続けて、俺は大丈夫なんだろうか。
もしアイツが俺を飽きたら、一体自分がどうなってしまうのか想像も出来ない。
「あっ、梅乃くん。お風呂入るならお洋服脱がせてあげようか――」
「いいからさっさと猫に餌やってこいっ」
「わっ、ご、ごめんなさいっ」
どうやらまだその心配はいらなそうだ。
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