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「高瀬くん、い、一緒に帰ってもいいかな」
一体その一言を言うのにどれだけ時間掛かってんだ。
呆れるほどガッチガチに緊張した顔で放課後俺の教室に来たかと思うと、分かりやすいほどウロウロと右往左往してから、ようやく俺に声を掛けてきた。
コイツモテるから目立つんだよな。
周りの女子の反応で来たのはすぐに分かったが、面白いのでちょいと観察してやった。
何してんだろうと思ったが、まさかそれを言うためだけにこれだけ時間を費やしていたとか。
「…お前って実はアホ?」
「えっ、お、俺何か間違えた?変なこと言ったかな…っ」
呆れたように言った俺の言葉に、怯えた顔でイケメンが眉を落とす。
コイツこんなビクついた奴だったっけ。
今まで俺が見てきた噂の学園のアイドルとは、随分イメージが掛け離れているような。
苗字しか知らないが真島って言ったっけ。
サラッサラの栗色の髪に、どこぞの王子ですかと突っ込みたくなるような端正な顔立ち。
長身でスタイルも良く適度に着崩した制服ですら、モデル並みにキマっている。
そーいやベッタベタだがプリンスだとか女子に呼ばれていたような。
だがモテる奴特有のナルシストな雰囲気もなく、話しかけられれば爽やかな笑顔で返し、俺のクラスでも何かと話題が持ちきりなほど女子に人気が高い。
当然最近俺とコイツが仲良いことはクラスの奴らも気付いていて、何のきっかけで仲良くなったんだと問い詰められるほどだ。
もちろん付き合ってることは周りに隠しているし、というか俺自身、男友達が一人増えたくらいの感覚であまり自覚はない。
いやそもそもかなり肝心なことを置き去りにしていたが、俺達は男同士だ。
そう、わりと大事なことなのでもう一度言うが、俺達は男同士である。
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