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カラオケでは見事なまでに女子の注目をかっさらって、何でこいつ呼んだんだと最終的に他の男に睨まれる始末だった。
どうせ真島呼んでなくてもお前らなんてたいして相手にされねーだろ。
当の真島は、おそらく自分がモテることを分かってない。
無自覚系イケメンとかタチが悪すぎる。
まあそうは言っても男のモテるモテないは顔だけじゃない。
俺は適当に流行りの曲を歌い終えてマイクを隣の女子に渡してやる。バラード聴きたいなーなんてリクエストして。女子ってバラード好きだしな。
なんて邪な考えをしていたら、逆隣から真島に声を掛けられた。
「高瀬くんの歌初めて聞いたよ。上手なんだね」
「別にフツーじゃね?カラオケ行き慣れてるだけだろ」
「そっか。俺カラオケ来たの初めてだからなあ」
「えっ、マジで」
こんだけイケメンなら相当遊んでいるのかと思いきや、そんなことはないらしい。
むしろこいつあれか、どっちかと言ったら真面目くんタイプか。
「綺麗な声だよね」
ふわりと微笑まれた。
まるで映画のワンシーンとでも錯覚するレベルの笑顔。
背景カラオケ店だが。
こんだけ綺麗な奴に綺麗な声だと褒められても、全く現実味ないんだが。
「…はいはい。お世辞ドーモ」
「ええ、嘘じゃないけどなあ」
つーかなんでこいつ女子いんのにわざわざ俺とばっかり話してくるんだ。
なんて考えてからそれが野暮だったと気付く。
そうだ、すぐ忘れそうになるがこいつと付き合ってんだよな。男友達じゃないんだった。
真島は一緒になってバカ騒ぎはしないが特別場を乱すような感じでもなく、女子にも男子にも無難な対応をしていた。
というか真島の雰囲気的に、無茶振りしてやろうなんて猛者は俺の友人にはいないらしい。
カラオケ行ったことはないと言っていた癖に歌もそこそこに上手くて、俺なんかより自分のほうがよっぽど綺麗な声をしていた。
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