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Story2
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6月中旬梅雨
「なんでいつもこんな成績なんだ!なんとか言ったらどうかね!?」
『......』
「...はぁ...もういい」
まだ朝の8時だというのに、教育相談室から聞こえる怒鳴り声。
呆れたような顔をする教頭を前に珂神コウは平然とした顔で座っている。
「少しは勉学に励んだらどうなんだ?ここは数少ない人間しか入れないエリート校なんだぞ」
『別に...入りたくて入ってねーし』
「そうだな。お前の成績だと入れないだろうな。良かったなぁ親がエリート様で」
その親だって自分で選んだ訳じゃない。
教育相談室のこの光景はテストが終わる度に見られるもので、そのほとんどは珂神が関係している。
『もう行っていいだろ』
「ああ。何言っても同じなんだろ」
『......チッ』
聞こえるか聞こえないかの舌打ちをして扉を閉めたのだが、地獄耳の教頭には聞こえていたらしく
「珂神!!お前教師に舌打ちとは覚えておけよ!」
なんて怒鳴っていたらしいが珂神は気にする様子も無くいつもの場所に向かっていたのだった。
__________
いつもの場所というのは屋上の事。
いや、本当は生徒立ち入り禁止なのだが屋上を管理する先生が悪い。
ろくに鍵も閉めないでいつもぐーたらタバコ吸ってるからだ。
こんな時間にはいないだろうから行っても大丈夫だろう。
_キィィ...
嫌な音をたてて開く扉に若干不快になるがまあ気にしない。
『やっぱり...いねーな』
あの"クソ教師"と鉢合わせはゴメンだから良かった。
風に当たりながらベンチに腰掛ける。
雲ひとつないいい空なのにどうして綺麗に見えないのだろうか。
『はぁ......』
その時、背後からあの独特の匂いがした。
やばいと思った時には既に遅し、振り返ると案の定"クソ教師"が煙を吐きながら立っていたのだ。
「なぁにため息ついてんの?」
『黒木...』
「おいおいセンセーなんだから黒木先生でしょうが」
『うるせぇ。さっさと出てけ』
「何言ってんの。ここ本当は生徒立ち入り禁止だからな?」
『知らねぇよ。一人にさせろ』
「珂神は相変わらずだねぇ。俺すごい嫌われてるっぽいし」
『別に...』
嫌いとか嫌いじゃないとかそうゆんじゃない。あいつと雰囲気がそっくりで苦手なだけだ。
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