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Story14
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「ごめん。悪いけど及川は席を外してくれるかな?」
「??分かりました。コーちゃんも気が向いたら来てね!」
瑞稀は頭の上で大きく手を振りながら屋上を出ていった。
今こいつと二人きりって嫌だったのだが、瑞稀にいて欲しかった。
「珂神。なんでタバコやめたと思う?」
『今...俺がタバコ嫌いだからって』
「そう。だから珂神は誤解してるよ」
『なんの』
「他の生徒と同じように珂神に接してたのはああゆう事をするのが目的だったんだとか思ってただろ?」
『!』
見透かしてきた。そんなに顔に出ていたのか?それともこいつが鋭いのか?
「図星か。きっと今日授業に出たのも俺の様子を伺うためだもんな。」
『分かってたのかよ』
「はは。もちろん分かる。でも本当にそれは誤解で仲良くなりたかっただけだから」
『仲良く...お前まで言うのか』
「お前まで?」
『いやなんでもない』
瑞稀といい黒木といいどうしてそんなに俺と黒木を仲良くさせようとするのか。
だけどもし誤解だったなら、そうゆう目的じゃ無かったなら...良かった。
ん?良かった?
「珂神?」
『あ、えっと』
「昨日あんな事したのはああすれば俺のことを嫌でも考えてくれるだろうって思ってさ」
『そんなわけ』
「事実、授業出てくれただろ?」
『っっ!だれでも...そうなる』
「そうそう誰でも考えるからね。あ、でもセックスしないと生きてけないってのはほんと」
『なんで』
「それは言えないなぁ?」
じゃあ最初から言うなよ。何も聞いてないのに。
「珂神と仲良くなりたいってのは、俺と少し似てる部分があるからかも」
『はぁ?俺と黒木が?ないわ』
「んー。だからつい話したくなるのかもね」
『意味わかんねぇけど誤解なら良かった』
「え.........」
黒木は目を丸くして驚いていた。
『良かった』なんて言葉がつい口から出ていたのだ。
言わなければよかった。調子に乗られたら凄くウザイしめんどくさい。
それになんで俺はそんなこと言ったんだ?
『い、今のは間違いだ』
「...ふーん。ちょっと顔赤いけど」
『っっ!?気のせい』
「ふはは!まぁいいや。その反応からして嫌われては無さそうだしな」
『調子のんなよ』
「でもアタリだろ?俺のこと好きって言ってくれるまでタバコは吸わないから。他にも嫌なとこあったら言えよ。じゃーな」
黒木の去り方は瑞稀とは真逆だった。
小さく手を振ってこちらを振り返らない。大人という言葉がぴったり合うような...。
教師で、俺は生徒で、自分に似てると言っても所詮他人だ。なのに何故あそこまで出来るのだろうか。
見返りもなく俺に近づくやつなんて初めての事でどうしていいか分からない。
優しくされる事も瑞稀以外では初めてで、何という言葉で気持ちを表すのが正解か分からない。
ただ
『黒木が...』
俺の中で大きくなっていることは確かなのだろう。
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