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Story17
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それから1時間ほど黒木による特別授業を受けた。
まあそれなりに分かりやすかったしたまにはこんなのもいいかもと思った。
現在の時刻は5時前。基本的に家は放任主義...というか俺に対してはそうなのだが一応帰る前に河合に連絡することになっている。
なんていうかクソ親父の「ちゃんと父親してます」って思いたい自己満足なんだと思うけど。
「ん?誰かにメール?」
『ああ、河合』
「......かわい」
『なんだよ』
「あーいや。知り合いなの?」
『知り合いってゆうか家のメイド』
「へぇ...メイドさんいるんだね」
そういう黒木の顔は笑っていたが、なにか考えているような目をしていた。
『連絡しとかねぇとあいつうるせぇし』
「いいねぇ。今度俺にも紹介してよ」
『気持ち悪ぃこと言うな』
河合に「帰る」だけ送る。するとすぐに既読がつき「承知しました。お待ちしております」なんてゆう堅苦しい文で帰ってきた。
毎度待っていてくれなくてもいいのだが...。
「その河合さんって下の名前なんていうの?」
『はあ?何でそんなこと...確か美那?だったような』
「え......」
河合の名前を口にした途端黒木の身体が固まった。何に対しての反応なのか分からないが凄く戸惑っている。
「あー、なるほど」
『??なんだよ』
「なんでも〜...珂神今日さ家ついてっていい?」
『、、、は?』
今なんて言った?家に着いてく?つまりうちに来たいと?
いやいやいや、なんでだ。そんなに河合に会いたいのか。
『来んなって言ったら』
「んー明日また言う」
『はあ。じゃあ来れば。けど俺はなんにも紹介とかしねぇから』
「うん。担任だから連絡しに来たとかなんとかで誤魔化すよ」
この学校は教師が生徒の家に来ることがたまにある。ほとんど成績がいい生徒の家にだが。
だから別に怪しまれはしないと思うが...出来れば巻き込まれたくない。
クソ親父と話すなら勝手にやってくれ。
「俺今日はもう帰っていい事になってるからなー。車で送ってあげる」
『いや...』
「どうせ行き場所同じだし。下で待ってるぞ〜」
『...ん』
「だんだん素直になってきてせんせー嬉しい」
『いいから行け』
黒木は少しだけ微笑みながら「りょーかい」と言って教室を後にした。
屋上から出ていった時にも思ったが去っていく後ろ姿だけは妙に様になってる。
黒木が帰り支度をしてるあいだ一応河合には言っておいた方がいいと思って「担任が家に行く」と言っておいた。
河合に行っておけばクソ親父にも伝わってそれなりにもてなしの準備くらいするだろう。
無駄にあついこの季節だが、今年は1番色々起こる夏になるかも知れない。
そんな根拠の無い予感を感じながら駐車場へと向かった。
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